Google DeepMind、9種のゲームでトレーニングしたAIエージェント「SIMA」発表
Google DeepMindは、「No Man's Sky」などのゲームでトレーニングしたAIエージェント「SIMA」を発表した。「AlphaGo」などのようにゲームに勝つことが目的ではなく、“ジェネラリストで言語駆動型のAIエージェント”を目指す。
米Google DeepMindは3月13日(現地時間)、自然言語の指示でゲーム内のタスクを実行するAIエージェント「Scalable Instructable Multiworld Agent(SIMA)」を発表した。
同社は2015年のATRIゲームをプレイする「DQN」や「AlphaGo」など、ゲームをプレイするAIの開発では長い歴史を持つ。
だが、SIMAはこれまでの単一のゲームでハイスコアを目指す同社のAIとは異なり、多様なゲームで言語インタフェースを介して設定内の指示に従い、適切にプレイする“ジェネラリストで言語駆動型のAIエージェント”を目指すという。
そのために、8社のゲームメーカーと協力し、「No Man's Sky」「Teardown」「Valheim」「Goat Simulator 3」「Satisfactory」「Hydroneer」「Space Engineer」「Wobbly Life」「Eco」というバラエティに富んだゲームでSIMAをトレーニグし、テストした。
また、米Unityのプラットフォームで構築した環境を含む4種類の研究環境でSIMAのテストを行った。
SIMAは現段階で、「左折」「はしごを登る」「メニューを開いてマップを使用する」など、約600の基本スキルを備えている。約10秒以内に完了できるような、単純なタスクを実行できるようトレーニングされている。
将来的には、「必要なリソースを見つけてキャンプを設営する」などといった高レベルの戦略計画と複数のサブタスクを必要とするタスクも実行できるようにしたいという。
LLMは知識を取得して計画を生成するシステムを生み出したが、現時点では人間に代わって何かを実行する機能は欠けているので、SIMAは、最終的には「現実世界の人々に役立つ方法で幅広いタスクを理解し、安全に実行できる、より一般的なAIシステムとエージェント」の実現を目指しているという。
DeepMindのチームは論文で「SIMAを複雑な環境で言語と事前トレーニングモデルを安全に具体化する最先端の研究プラットフォームにできると考えており、それによってAGIの根本的な課題に取り組むことができると信じている」としている。一般に公開する計画は今のところないようだ。
【更新履歴:2024年3月14日午後1時40分 Unityについての記載に誤りがありました。お詫びして訂正します。】
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