イーロン・マスク氏のxAI、LLM「Grok-1」をオープンに
イーロン・マスク氏のAI企業xAIは、予告通りLLM「Grok-1」の基本モデルの重みとアーキテクチャをオープンソース化した。GitHubでApache 2ライセンスで配布している。マスク氏はXでChatGPTのアカウントに「“オープン”について説明して」とコメントした。
イーロン・マスク氏が昨年7月に立ち上げたAI企業xAIは3月17日(日曜日)、同社のLLM「Grok-1」の基本モデルの重みとアーキテクチャをリリースすると発表した。GitHubで、Apache 2ライセンスで配布されている。
Grok-1は、同社が昨年11月に発表したチャットbot「Grok」のベースとなるLLM。マスク氏がオーナーである米Xの「Xプレミアムプラス」のユーザーは、Grokと会話できている。
xAIは「3140億パラメータのMixture-of-Experts(MoE)」モデルと説明しているが、トレーニングデータについては「特定のタスク用に微調整されていない大量のテキストデータ」としか開示していない。ちなみに、Grok-1と競合する米OpenAIの「GPT-3」のパラメータ数は約1750億で、「GPT-4」については公表されていない。
マスク氏は2月、OpenAIを“契約違反”で提訴し、GPTをクローズドにしていることを批判している。
GrokのXの公式アカウントは同日、マスク氏が10日にポストしたGrokのオープンソース化予告へのコメントの形で「WEIGHTS IN BIO」(SNSの常套句で自己紹介文にリンクや自己紹介が含まれていることを示すものだが、それにモデルの重みが公開されている意味を含めたジョーク)とポストした。
これに、ChatGPTの公式アカウントが「私のジョークの真似をしたな」とコメントし、それを受けてマスク氏が「OpenAIの“オープン”についてもっと説明してよ」とコメントし、さらに「サム(OpenAIのアルトマンCEOのこと)、このアカウントは君がやっていることをみんな知ってるよ」ともコメントした。
関連記事
- 今週、生成AI「Grok」をオープンソースにする──イーロン・マスク氏が発表 「OpenAIはうそつき」
米xAIは今週、生成AI「Grok」をオープンソースにする──同社を率いるイーロン・マスク氏は、X上にそのように投稿した。 - イーロン・マスク氏、米OpenAIとサム・アルトマンCEOを提訴 「営利追及するのは契約違反」
米国の実業家であるイーロン・マスク氏は、米OpenAIとサム・アルトマンCEOを契約違反でサンフランシスコの裁判所に提訴した。 - xAIのAIボット「Grok」、Xプレミアムのハイエンドプランで提供へ
Xのイーロン・マスクCTOは、xAIの新AIチャットボット「Grok」を発表。Xのリアルタイムのパブリックデータにアクセスするという。まずはXのハイエンドサブスクプラン「Xプレミアムプラス」会員に提供する。 - xAI、“全人類に利益をもたらすAIツール”を目指す「Grok」正式発表
イーロン・マスク氏が7月に立ち上げたAI企業xAIは、同社初のAIモデル「Grok」を発表した。まだ初期β段階だが、ベンチマークでは「ChatGPT-3.5」や「Inflection-1」を上回るとしている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.