「無保険の電動キックボードが街に放たれるの?」 Luup規約改定で不安の声広がる ただし実態は違った
「無保険の電動キックボードが街に放たれるの?」──電動キックボードのシェアリングサービスを手掛けるLuupが4月12日に発表した規約改定を巡り、Xで「電動キックボード利用時に保険が使えなくなる」との臆測が広がった。しかし13日、Luupは「改定を機に保険が付帯しなくなる事実はない」と否定し、規約の説明に不足があったと謝罪した。誤解が広がった要因は、規約改定の伝え方にあったようだ。
「無保険の電動キックボードが街に放たれるの?」「保険会社が逃げたか」──電動キックボードのシェアリングサービスを手掛けるLuupが4月12日に発表した規約改定を巡り、Xで「電動キックボード利用時に保険が使えなくなる」との臆測が広がった。しかし13日、Luupは「改定を機に保険が付帯しなくなる事実はない」と否定し、規約の説明に不足があったと謝罪した。誤解が広がった要因は、規約改定の伝え方にあったようだ。
Luupは12日、「このたび、LUUPのサービス利用規約の内容を一部改定することといたしました」との文言で、20日に規約を改定すると発表した。改定は、サービス利用時の違約金と、サービス利用時に付帯する保険に関するもの。旧規約では損害保険の利用条件や補償金額などを規約文内で説明していたところ、新規約では文中で詳細を示さず「当社所定の条件」とのみ記述しており、条件を記載したページへの誘導もなかった。
ただ、発表の文面では具体的な改定項目に触れておらず、詳細は新しい利用規約へのリンクを直接確認するよう促すのみだった。
これが、誤解が広がる原因だったようだ。Xでは新旧の規約を比較したユーザーの投稿が拡散。「保険・補償がなくなったってこと?」「保険屋が逃げた(ので隠したのでは)」「サイレント修正だ」といった誤解や臆測が広がった。一部のXユーザーからは「姑息」「最悪の改悪」といった批判も相次いだ。
しかし実際には、損害保険が利用できなくなったのではなく、条件の書いてある場所が、規約内から別のページに変わっただけだった。Luupは13日の謝罪に合わせ「当社所定の条件」をハイパーリンク化。「よりわかりやすく内容をご覧頂けるように」(同社)として、保険の利用条件をまとめたページにつながるようにした。発表文にも改定の概要を追記した。
詳細“外出し”の理由は? Luupに聞いた
Luupによれば、保険の利用条件を“外出し”にしたのは「法的な問題があるというわけではないが、保険の補償内容の詳細について、これまでも利用規約で網羅できていない点があった。これらについて全てを利用規約で定めることは難しいため、保険の具体的な内容はLUUPヘルプセンターご利用ガイドにて参照してもらう形に記載を整理したため」という。
そのため「保険会社が逃げた」などの臆測についても「そのような事実はない。当社の株主でもある東京海上日動火災保険には、引き続き幅広い分野で事業を支援してもらっている」と否定した。
一方Xでは「つまり、今後保険の内容が頻繁に変わるってこと?」などの反応も出ていた。同様の懸念についてLuupに聞いたところ、以下の回答があった。
「具体的な保険内容の記載が利用規約の外に移されたことで、軽微な点を含めた内容変更の際に、都度利用規約を変更する必要がなくなったことは事実。一方で、当社としては利用者や街の安全・安心のために保険が重要であることは当然承知しており、保険の内容を変更する際には基本的に事前の告知を行うことを考えている」(Luup)
「具体的な変更予定についてはコメントを差し控えるが、保険の内容や条件は定期的に再検討・再交渉しているので、今後も変更を検討する可能性はある。なお、Luupは、法律で定められた対人・対物の賠償責任保険についても任意で補償額を追加している他、利用者自身のけがなどもカバーする、任意の搭乗者傷害保険も付保している」(Luup)
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