Alphabet、クラウドと広告が好調で2桁台の増収増益 「Gemini時代は順調」とCEO
Googleの持株会社Alphabetの1〜3月期決算は、アナリスト予測を上回る2桁台の増収増益だった。ピチャイCEOは「Gemini時代は順調に進んでいる」と語った。
Googleの持株会社である米Alphabetは4月25日(現地時間)、2024年第1四半期(1月〜3月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比15%増の805億3900万ドル、純利益は57%増の236億6200万ドル(1株当たり純利益は1ドル89セント)だった。3四半期連続の2桁台の売上高増加となった。クラウド部門と広告部門がそれぞれ大きく伸びた。
売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は785億9000万ドル、1株当たり純利益は1ドル51セント)を上回った。
また、創業以来初となる1株当たり20セントの配当を実施すると発表した。将来的には四半期ごとに配当を支払う計画という。
主力の広告全体の売上高は13%増の626億6000万ドルと復調。広告全体の約13%を占めるYouTube広告が21%増と好調だった。
クラウド部門の売上高も28%増の95億7400万ドルと好調。営業利益も9億ドルと、約4倍になった。
PixelやNest、Chromebookなどのハードウェア、アプリストア、YouTubeやGoogle Oneなどのサブスクリプションの売上高などを含む「Google subscriptions, platforms, and devices」の売上高は18%増、Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は72%増の4億9500万ドル(営業損失は10億200万ドルで、前年同期より約2億500万ドル減少した)。
総従業員数は前年同期より9816人減の18万895人。
Alphabetは同四半期に設備投資に前年同期比91%増の120億ドルを費やした。ルース・ポラットCFO(最高財務責任者)は業績発表後の電話会見で、AI導入のためにサーバやデータセンターへの支出を増やしたと語った。同社はまた、同四半期に研究開発に119億ドルを支出している。
スンダー・ピチャイCEOは発表文で「Gemini時代は順調に進んでおり、社内全体で大きな勢いが高まっている。(中略)AIイノベーションの次の波に向けて、われわれは有利な立場にある」と語った。
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