UUUM、ANYCOLOR、カバーが「誹謗中傷対策検討分科会」設置 総務省や警視庁刑事部なども後援に
クリエイターエコノミー協会の「誹謗(ひぼう)中傷対策検討会」が「誹謗中傷対策検討分科会」を設置したと発表した。UUUM、ANYCOLOR、カバーの3社で構成し、総務省、警視庁刑事部などが後援する。損害賠償請求や警察との連携などに取り組んでいくという。
UUUM(東京都港区)などが加盟するクリエイターエコノミー協会の「誹謗(ひぼう)中傷対策検討会」は5月22日、新たに「誹謗中傷対策検討分科会」を設置したと発表した。UUUM、ANYCOLOR(東京都港区)、カバー(東京都港区)の3社で構成し、所属クリエイターが安心して創作活動に専念できる環境づくりに取り組むという。
同協会は2023年6月28日に誹謗中傷対策検討会を設置し、誹謗中傷対策としてキャンペーンを通じた啓発活動やパネルディスカッションに取り組んできた。しかし、明確な悪意がある加害者に対してはこれらの活動だけでは不十分であったことから、所属するクリエイターへの誹謗中傷対策に取り組んできた3社が参画する分科会を設置したという。
3社は、それぞれYouTuberや「にじさんじ」「ホロライブ」に所属するVTuberをプロデュースしており、通報窓口や対策チームの設置などに取り組んできた。分科会はC Channel(東京都目黒区)やドワンゴ(東京都中央区)などの12社が賛同している他、総務省、警視庁刑事部、法律事務所などの後援を受けており、今後は損害賠償請求や警察との連携などに取り組んでいくとしている。
同分科会の設置に際し、UUUM所属YouTuberのHIKAKINさん、ホロライブプロダクション所属VTuberのときのそらさんがコメントを発表した。
「クリエイターエコノミー協会は民間主導の取り組みではありますが、行政や民間のこれだけ多くの企業や団体が賛同もしくは後援してくれている状況は、とても心強いです。ネットにおける誹謗中傷の深刻化に伴い、多くの関係者が対策に向けて動いている中で、今回のような取り組みの輪がもっと大きくなり、より多くの方々に知っていただけると嬉しいです。最後に、クリエイターエコノミー協会の取り組みを通じて、クリエイターだけでなく、エンターテインメントに関わる皆さんがより安心して活動ができるようになることに期待したいと思います」(HIKAKINさん)
「活動をはじめた当初からたくさんの言葉を投げかけられました。そのほとんどが優しい言葉です。でも中には傷つく言葉もあり、わたし自身、涙をこらえながら活動することもあります。長く活動していてもその気持ちに慣れることは簡単ではありません。言葉は思っているより強く相手に届きます。SNSでの誹謗中傷がなくなることを心から願っています。みんな、相手のことを思い優しい気持ちでSNSを使ってくれたらうれしいです。また、これからも希望のある対策が増えていくと良いなと思っています」(ときのそらさん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
YouTuber or VTuber どちらで配信する方が支持される? 明治大などの研究者らが比較調査
明治大学やソフトバンク、NTTドコモ、ドワンゴに所属する研究者らは、動画配信における顔出し、2DCGアバター、3DCGアバターの3種類の配信スタイルが視聴者にとってどれほど影響があるのかを比較調査した研究報告を発表した。
詐欺被害あった“VTuberなりすまし犯”を特定──にじさんじ運営が発表 和解も成立
VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLORは、所属VTuber「ローレン・イロアス」さんをかたり、第三者から金品・物品をだまし取っていた人物と和解が成立したと発表した。
「プロバイダ責任制限法」は「情プラ法」へ 誹謗中傷対応の迅速化を狙い改正案
総務省は1日、プロバイダ責任制限法の改正案が閣議決定されたと発表した。誹謗中傷などの投稿削除を申し出る窓口の設置を事業者に義務づけ、対応の迅速化を図る。
VTuber「恋糸りあ」(みけねこ)、アーティストデビュー中止に 「プライベートの係争が原因ではない」
ポニーキャニオンは、VTuber「恋糸りあ」さんのアーティストデビューを中止すると発表した。恋糸さんはVTuber「みけねこ」さんの別名義で、この春にアーティストデビューとCDリリースを予定していた。


