家電の買い方が変わる? パナソニックも参入した“メーカー再生品”の可能性:知らないと損!?業界最前線(3/5 ページ)
パナソニックは4月10日、家電の再生品販売サービスを本格スタートした。パナソニックストアで、再生品の販売も行うという。日立GLSは2022年から家電のメーカー再生品販売を行っており、家電量販大手のヤマダデンキは2001年から再生品販売を行っている。いずれも保証を受けられる点が魅力だ。
現在、ストアに並んでいるのは、現行機種と1〜2世代前の機種だ。今後の製品ラインアップに関しては検討中だという。価格は新品より2〜3割安い。例えば、ななめドラム洗濯乾燥機「NA-LX129CL」の場合、パナソニックストアの新品価格が32万8680円(税込)に対して、Panasonic Factory Refreshでは26万3000円(税込)で、約2割安かった。
Panasonic Factory Refreshのドラム型洗濯乾燥機の販売ページ。左のNA-LX129CLWD-Aは、新品より約6万円安いが、原稿執筆時点では再生品の在庫はなく、予約などもできなかった
価格に関しては「商品特性や市場動向を見ながら随時検討のうえ設定している」(パナソニック)とのこと。現状では供給できる製品数よりも需要が高いようで、品切れの表示も多い。値下げに関して尋ねると、現時点では否定も肯定もなかった。
また面白い点としては、Panasonic Factory Refreshではドライヤーなどの一部製品は再生品のサブスクプランを用意していることがある。新品の月額料金よりも安く設定されており、学生でも使いやすい。販売方法は製品カテゴリーによって柔軟に調整していることが分かる。
また同社は4月10日のPanasonic Factory Refreshに関する記者発表会で、「新・商売の基準」を発表。顧客との関係性について、製品を売った時点で終わるのではなく、「IoT延長保証サービス」の導入により「つながり続ける」こと、使いこなしのサポート、メンテナンスサービスの充実化など、新しいカタチが提案された。
パナソニックが発表した新・商売の基準は、「購入後」「使いこなし」「メンテナンス」「サポート」の4段階で顧客とつながり続けることで、顧客満足度を高めることを目的としている。その一環としてスマートフォンアプリの機能拡充や新たなクリーニングサービスの提供(有償)などを行うという
なお同社はこの再生品販売サービスについて、同社が2022年1月に発表した循環型の持続可能な暮らしを目指す「サーキュラーエコノミー」実現に向けた取り組みである環境コンセプト「Panasonic GREEN IMPACT」のうち再生・再利用の「循環スキーム」の一環だとしている。
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