速報
Europol、国際的な「エンドゲーム作戦」で大規模ボットネット解体、4人を逮捕
EuropolとEurojustは、コードネーム「Operation Endgame」の下、ランサムウェアを拡散させた大規模ボットネットを閉鎖したと発表した。4人を逮捕し、8人の指名手配写真を公開した。
欧州連合の法執行機関Europol(欧州刑事警察機構)と司法協力機関Eurojust(欧州司法機構)は5月30日(中央ヨーロッパ時間)、コードネーム「Operation Endgame」の下、ランサムウェアを拡散させた大規模ボットネットを閉鎖したと発表した。マルウェアドロッパーに悪用されていた世界の100台以上のサーバを停止し、2000以上のドメインを押収し、4人の容疑者を逮捕した。
Europolはさらに、8人を指名手配した。
EuropolはEndgameを「ランサムウェア拡散ボットネットに対する史上最大の作戦」としている。この作戦にはEU加盟国の他、英米やウクライナも協力した。
マルウェアドロッパーとは、感染したリンクや添付ファイルを含むメールを配信するトロイの木馬の一種。感染した端末は、情報窃盗やランサムウェアなどに使われるボットネットに組み込まれる。
Europolによると、容疑者らはこうして構築したボットネットを犯罪者に貸し出すことで6900万ユーロ(約117億円)以上を稼いだという。
EndgameのWebサイトは「われわれはあなたたちの犯罪行為を捜査してきた」、「これはエンドゲーム作戦のシーズン1だ。続きをお楽しみに」と犯罪者に呼びかけている。
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