米連邦政府、露Kaspersky製品を全面禁止 9月29日までに代替製品への移行が必要に
米商務省は、ロシアを拠点とするウイルス対策およびサイバーセキュリティ企業のKaspersky Labsの製品をよびサービスの米国での提供を全面的に禁止すると発表した。9月29日以降は現行ユーザーへのアップデートもされなくなる見込みだ。
米商務省産業安全保障局(BIS)は6月20日(現地時間)、ロシアを拠点とするウイルス対策ソフトおよびサイバーセキュリティ企業の米国支社であるKaspersky Labが、米国内および米国民に対して製品を提供することを禁止する最終決定を発表した。
これによりKasperskyは米国内での製品販売や、既に使われている製品のアップデートの提供などができなくなる。
現在同社製品を使っている米国民および米国企業に対しては、「速やかに新しいベンダーに移行することを強く勧める」としている。使い続けることで法的処罰を受けることはないが、アップデートが受けられなくなるため、リスクを負うことになると警告した。
移行のための猶予を与えるため、Kasperskyは9月29日午前12時まではアップデートを含む業務を継続できる。
米商務省はKaspersky製品を全面禁止するのは「長期にわたる徹底的な調査の結果」であり、「ロシア政府の攻撃的なサイバー能力と、Kasperskyの業務に影響を与えたり指示したりする能力により、米国での同社の継続的な事業は国家安全保障上のリスクをもたらし、全面禁止以外の緩和策では対処できないことが判明した」ためと説明した。
Kasperskyへの懸念は以前からあり、2017年には米国土安全保障省(DHS)が同社製品を連邦政府機関から排除する方針を発表した。ロシアがウクライナに侵攻した2022年には、米連邦通信委員会がKasperskyの製品およびサービスを「国家安全保障に対する脅威となる通信機器およびサービスのリスト」に追加している。
Kasperskyはこの決定を受けてXにポストした声明文で、「商務省は、Kasperskyの製品とサービスの完全性の包括的な評価ではなく、現在の地政学的状況と理論上の懸念に基づいて決定を下した」とし、「米国の国家安全保障を脅かす活動には関与しておらず、実際、米国の利益と同盟国を標的とするさまざまな脅威アクターからの報告と保護で大きな貢献を果たしてきた。われわれは、現在の事業と関係を維持するために、法的に利用可能なすべてのオプションを追求するつもりだ」と語った。
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