「低価格・高リスク」の非純正バッテリーに消費者庁が注意喚起 過去10年で火災227件
消費者庁は27日、安価で入手しやすい“非純正バッテリー”により、火災を伴う事故が多発しているとして注意喚起した。
消費者庁は6月27日、安価で入手しやすい“非純正バッテリー”により、火災を伴う事故が多発しているとして注意喚起した。充電式の電動工具やハンディ掃除機、スマートフォンなどの事例が多い。
非純正バッテリーとは、機器本体のメーカーとは無関係の事業者が製造・販売しているバッテリーのこと。機器メーカーは設計や品質管理に関与していないが、純正品と類似したデザインで、ECサイトなどでは「互換バッテリー」「純正充電器対応」などとうたい、純正品より安価で販売されている。
しかし、非純正バッテリーが原因とみられる事故は、2014年から23年までの10年間で235件発生した。このうち227件が火災に発展し、中には建物が全焼するケースも。やけどなどの人的被害は13件報告されている。
リチウムイオン電池には可燃性の電解液が含まれており、一度発火すると大きな火災に発展するおそれがある。事故のリスクを減らすにはバッテリーに適切な安全保護装置や品質管理が求められるが、非純正バッテリー製造業者の中には不十分な場合があり、例えば充電時の電圧監視を部分的にしか行わない設計になっていたため、過充電で発火した例もある。
また事故が起きて連絡しようとしても、製品に事業者の電話番号の記載がなかったり、電話がつながっても日本語が通じなかったりするケースも。さらに非純正バッテリーによる事故では、機器本体メーカーの対応や補償が受けられない場合もある。
消費者庁は「非純正バッテリーは純正品に比べて低価格のものも多いですが、これらの中には高リスクなものが潜んでいることを認識しましょう」として注意喚起している。
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