「H3ロケット」3号機、打ち上げ成功 JAXA生配信で7万人超が地上からエール
JAXAは1日、次期主力ロケット「H3」3号機の打ち上げに成功した。JAXA公式チャンネルで行った生配信は、一時7万2000人以上が視聴し、地上からエールを送った。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月1日、次期主力ロケット「H3」3号機の打ち上げに成功した。YouTubeのJAXA公式チャンネルで行った生配信は、お昼時ということもあってか、一時7万2000人以上が視聴した。
打ち上げから1分57秒後、ブースターの「SRB-3」を切り離したH3ロケット3号機は、その後も第1段エンジンの分離、第2段エンジンの燃焼と順調に推移。予定通り、打ち上げからおよそ16分後に先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)の切り離しが確認された。
だいち4号は、「だいち2号」の後継機となる、Lバンド合成開口レーダー搭載の“先進レーダー衛星”。新たに採用したデジタル・ビーム・フォーミング技術により、だいち2号の高い空間分解能(3m)を維持しつつ、観測幅を4倍(200km)に拡大する。
これにより、地殻・地盤変動などの観測頻度が向上。震災などが発生した際の状況把握など、減災への取り組みで重要な役割を担うことが期待されている。
JAXAは23年3月、H3ロケットの試験1号機の打ち上げに失敗し、搭載していた先進光学衛星「だいち3号」も失った。今年2月には試験機2号機の打ち上げに成功し、キヤノン電子が開発した小型衛星「CE-SAT-IE」を放出した。
生配信で技術解説を担当したJAXA宇宙輸送技術部門のエンジニア・古谷勲さんは、「今回の成功により、H3は本物の衛星を打ち上げられると証明した。本格運用に向けて歩み始めたといっていい」と話した。また4号機の打ち上げも準備しているとし、「そう遠くない未来に打ち上げるので応援してほしい」と呼びかけた。
【訂正:2024年7月4日13時30分更新 ※初出時、試験3号機、試験4号機という記述がありましたが、誤りでしたので修正しました】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「H3ロケット」で打ち上げられたキヤノン電子の衛星、初ショット公開 撮影は「PowerShot S110」
キヤノン電子は2月22日、超小型衛星「CE-SAT-IE」が初めて撮影した地球の写真を公開した。同衛星は、日本の次期主力ロケット「H3ロケット」試験機2号機に搭載され、2月17日に打ち上げられた。撮影は「PowerShot S110」
「H3ロケット」リベンジ果たす 試験機2号機の打ち上げに成功
JAXAは、次期主力ロケット「H3ロケット」の試験機2号機について、種子島宇宙センターから2月17日午前9時22分に打ち上げを行い、ロケットは計画どおり飛行。第2段機体を所定の軌道に投入した。
JAXA、H3ロケット打ち上げ応援に感謝 再打ち上げに「全力尽くす」
H3ロケット打ち上げ失敗 「電源系統に異常」JAXA報告
JAXAは、H3ロケット打ち上げ失敗について、第2段エンジン着火指示付近で電源系統に異常があったことを確認した。






