Apple、欧州でのEpicゲームストア承認を2度拒否するもEpicがEUに申し立てた数時間後に承認
「フォートナイト」開発元のEpic Gamesは、1月発表のEU圏内でのiOSゲームストア立ち上げを、Appleが承認したと発表した。Appleはそれまで2度申請を拒否したが、その拒否がDMA違反だと欧州委員会に申し立てるとEpicが発表した後、承認した。
ゲーム「フォートナイト」の開発元である米Epic Gamesは7月5日(現地時間)、EU圏内でのiOS向けゲームストアの立ち上げを米Appleが承認したと発表した。この発表の数時間前、Epic GamesはAppleが2度にわたって承認を拒否したので欧州委員会に申し立てるとXにポストしていた。
Epic Gamesによると、AppleはEpic Game Storeの「インストール」ボタンのデザインと位置がAppleの公式アプリストアであるApp Storeの「入手」ボタンとあまりにも類似しているという理由で申請を2度拒否したという。
Epic Gamesはこれらのデザインは複数のプラットフォームのアプリストアで使われているのと同じであり、Appleの拒否は「恣意的で妨害的」で、EUのDMA(デジタル市場法)に違反していると「欧州委員会に懸念を伝えた」とポストしていた。
Epic GamesがAppleから承認の連絡があったとポストしたのは、欧州委員会に懸念を伝えるとポストした数時間後だった。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOはさらに数時間後、Appleが米AppleInsiderに対し、この承認が一時的なもので、引き続きボタンデザインの変更を要求すると語ったことを受け、「これに対抗する」とポストした。
Epicは1月、AppleがEUのDMA対策を発表した後、EU圏内で年内にiOS版Epic Games Storeを立ち上げ、そこでiOS版「フォートナイト」アプリの提供を開始すると発表した。
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