EU、Metaの「支払いか同意か」は違法の可能性あり 対応しなければ制裁措置
EUは、Metaが欧州のFacebookとInstagramで提供している有料プランについて、ユーザーに選択させる画面で実施している「支払うか同意するか」モデルがEUの消費者法に違反している可能性があると警告した。9月1日までに対応しなければ制裁措置を取るとしている。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は7月22日(現地時間)、米Metaが昨年11月から欧州で提供しているInstagramとFacebookの広告非表示のサブスクリプションオプションについて、ユーザーに選択させる画面で実施している「支払うか同意するか」モデルがEUの消費者法に違反している可能性があるとして警告したと発表した。
このサブスクリプションオプションは、広告ターゲティングと個人データ収集慣行に関するEUの懸念に対処するためにMetaが追加したものだが、欧州委員会が調整しているCPC(Consumer Protection Cooperation)は、ユーザーに無料で広告を表示する従来のプランとサブスクリプションプランのいずれを選択するかを促す画面が、消費者保護法に違反している可能性があるとしている。
具体的には、料金を支払わない場合は「無料」という表現を使っているが、無料の場合は個人データを利用して広告収入を得ることに同意していることになることが明示されていないことや、新しい選択肢について十分な告知を行わず、ユーザーに即座に選択を迫ることで圧力をかけたことなどを挙げた。
Metaは9月1日までに欧州委員会に対し、懸念への対応策を提示する必要がある。対策が講じられない場合、欧州圏内での年間売上高の最大4%に相当する罰金が科せられる可能性がある。
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