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「マイナンバーカード対面確認アプリ」、河野大臣が実際に体験 偽造対策の切り札になるか?(2/2 ページ)

デジタル庁は、事業者がスマートフォンで運用する「マイナンバーカード対面確認アプリ」を、8月末をめどに提供する。スマートフォンやSIM購入時、銀行口座開設時などの本人確認に利用することを想定しているが、アプリ自体は一般公開され、誰でもダウンロードして利用できる。現在実施中の実証実験の様子を、河野太郎デジタル大臣が8月1日に視察した。

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「誰でもダウンロード可能」でも大丈夫なのか

 セキュリティに関して「一般にダウンロードできるアプリで、ICチップが読み取れるのは不安」という意見に対しては、「このアプリでチップから出てくるのは、券面に書かれているものだけで、本物だと確認するためだけのアプリですので、そこはご安心いただけたらと思います」と語った。

 河野大臣が説明したように、このアプリは「マイナンバーカードが本物かどうか?」を確認するためのアプリだ。

 前述のように、マイナンバーカードの券面が偽造される可能性があることを考えると、安価に内部のICチップを確認する仕組みを構築できることには意義がある。マイナンバーカードの照合は暗号鍵を使った仕組みで、偽造は現状不可能とされている。

 要するに、偽造が不可能なICチップから読み取れる本人情報とマイナンバーカードの券面情報、来店している本人が一致しているかを確認するためのアプリとなる。


マイナンバーカード対面確認アプリ』のフロー(出典:デジタル庁)

 このアプリの機能は本人かどうかを確認することなので、チップ内の写真、氏名、住所、生年月日、性別は、その他の受付アプリなどに引き継げないようになっている。場合によっては、改めて記入、入力などの手間が発生するかもしれないが、これはセキュリティを担保するための仕様である。

 また、マイナンバーカードをタッチすると個人情報が取得されるのではないかと心配する向きもあると思うが、マイナンバーカード対面確認アプリが読み取るデータは写真と4情報のみだが、いずれもスマートフォン内部には保存はされない。残るのは「確認した日時」「生年月日6桁を除く8桁の照合番号」のみ。あとから写真や4情報を確認することはできない。


照合番号は画像内の14桁を用いる。スマートフォンには「確認の日時」「生年月日6桁を除く8桁の照合番号」が残る(出典:デジタル庁)

 ICチップの読み取りも、券面を撮影して照合番号を読み取ってからしか行えないような仕組みになっているので、例えば「電車の中などで近づいただけでチップが読み取られる」というような心配はない。

 あくまで、本人の確認のためだけに「このカードが本物である」ということを証明し、顔写真と本人を照合することで、その持ち主が本人であるとの証明するためのものだ。これにより、本人確認がより確実になれば、詐欺被害などの減少が期待される。

 今後、銀行の口座開設時や、スマートフォンのSIM購入時などにこのアプリに遭遇することもあるかとは思うが、その仕組みを理解した上で便利に使いたいところだ。

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