イーロン・マスク氏、X上で英首相を攻撃 反移民暴動を巡り
SNS上の投稿がきっかけで置きている英国の反移民暴動を巡り、イーロン・マスク氏がX上で英首相を攻撃するポストを繰り返している。攻撃的な投稿者を逮捕したという動画に「ここは英国か、それともソビエト連邦か?」などとポストした。
英国で7月末に起きた移民排斥暴動を受け、米Xのオーナーであるイーロン・マスク氏が8月3日(現地時間)にX上で「(英国での)内戦は避けられない」とポストし、それに対して英政府が非難する声明を出したことから、X上でマスク氏による英政府およびキール・スターマー英首相に対する攻撃が続いている。
このポストに対し、ハイディ・アレクサンダー英法務大臣が6日、「『内戦』などの言葉の使用は、決して受け入れられない(中略)発言の場を持つ人は皆、責任を持って権力を行使すべきだ」とラジオで語った。
その後、マスク氏はスターマー首相の「モスクやイスラム教徒コミュニティへの攻撃は容認しない」というポストに「“すべての”コミュニティへの攻撃を懸念すべきなのでは?」とリプライするなど、右翼を擁護し、英政府を批判するポストを続けた。
マスク氏はまた、Facebook上に攻撃的なコメントをした人物を逮捕したとする動画に「ここは英国か、それともソビエト連邦か?」というコメントを添えてポストした。
マスク氏の一連の発言について英BBCに問われた英首相は、「私の焦点は、地域社会の安全を確保することだ。それが私の唯一の焦点だ。警察の活動を支援することが私たち全員にとって非常に重要だと思う」と語った。アレクサンダー法務大臣は、マスク氏の発言は「全く正当化できない」ものであり、「非常に嘆かわしい」ものだと語った。
暴動のきっかけとなったのは、極右グループがSNSでイングランド北西部のサウスポートで7月末に起きた女児刺殺事件で起訴された犯人がイスラム教徒の亡命申請者だと主張したことだった。この投稿が拡散し、移民排斥運動に発展した。英警察によると、容疑者は英国生まれという。
スターマー首相は先週のテレビ演説で、「SNS大手とその経営者たちに言いたい。明らかにオンラインで煽動された暴力的な騒乱も犯罪だ。これは、あなたたちのプラットフォーム内で起こっていることであり、どこでも法律を順守しなければならない」と語った。
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