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生成AIの学習元に収益還元 鷹の爪「吉田くん」風似顔絵生成システムで試行 前田建設工業
「秘密結社 鷹の爪」の画像を教師データに使ったAI似顔絵生成システムを開発し、著作権利用の対価を、データ利用許諾元へ支払う仕組みが試行される。
前田建設工業などは8月23日、人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の画像を教師データに使ったAI似顔絵生成システムを開発し、著作権利用の対価を、データ利用許諾元へ支払う仕組みを構築したと発表した。「画像生成AIの普及に向け、権利許諾のあり方を提案する」としている。
「秘密結社 鷹の爪」の権利元であるディー・エル・イー(DLE)から利用許諾を受け、鷹の爪の画像を教師データとして、鷹の爪のキャラ「吉田くん」風の似顔絵をAIで描けるシステムを開発した。
前田建設工業の「ICI未来共創センター」(茨城県取手市)の来場者に対して、このシステムで生成した「吉田くん」風の似顔絵を配布。配布枚数に応じた額を、著作権利用の対価としてDLEに支払う。
同社は「著作権者、画像生成AIのユーザー、生成AIで作成されたコンテンツのユーザーの三者全員が価値を享受できるエコシステムの成立を目指すとともに、建設分野での展開を視野に入れる」という。
また、システムへの評価・感想を集め、著作権者に利益が正しく分配される「権利クリアAI」を用いた新たなAIサービスの可能性も検討するという。
このプロジェクトには前田建設工業とDLEの他、AIアニメなどを手掛けるタジク、印刷会社の光邦が参加している。
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