イーロン・マスク氏とブラジル最高裁判事の対立激化 同国でのX提供停止の可能性も
XやSpaceXのオーナー、イーロン・マスク氏がブラジル最高裁のデ・モラエス判事が牢獄に入っている画像をポストした。Xが最高裁の命令に従わなければXのブラジルでの活動を停止すると警告したことを受けてのことだ。
米Xや米SpaceXのオーナーであるイーロン・マスク氏は8月28日(現地時間)、X上でブラジル最高裁のアレクサンドル・デ・モラエス判事に似た人物が監獄に入っているGrokで生成されたとみられる画像に「@Alexandre、あなたが刑務所にいるこの写真が現実になるだろう」というコメントを添えてポストした。
デ・モラエス判事は同日、マスク氏とXに対し、24時間以内にXのブラジルでの法定代理人を任命するよう命じ、従わなければXのブラジルでの活動停止の罰則を受けると発表した。
ブラジルの法律では、SNSプラットフォームは政治的誤報に関する政府からの削除通知に対処できる人材雇用が義務付けられているが、Xは8月初旬にブラジルオフィスを閉鎖すると発表しており、この義務を果たせないとみられている。
SpaceXの公式アカウントは28日深夜、デ・モラエス判事から、SpaceXが所有するStarlinkを含むマスク氏が運営する企業の「すべての金融資産の凍結」を命じたとXにポストした。「この命令は、Xに対して違法に課せられた罰金についてStarlinkが責任を負うべきであるという根拠のない決定に基づいている」とし、「われわれはこの問題を法的に解決するつもりだ」と語った。
マスク氏は、デ・モラエス氏を「判事のふりをした完全な犯罪者」と呼んだり、「暴君アレクサンドル(デ・モラエス氏)はブラジルの独裁者だ」などとポストしている。
マスク氏とデ・モラエス判事の対立は、Xが特定のアカウントをブロックするよう命じた裁判所命令に従わないとマスク氏が明言したことを受け、判事が4月に司法妨害の疑いでマスク氏とXに対する捜査を開始したことに端を発する。
Starlinkの公式Xアカウントは「現在、Starlinkはアマゾンからリオデジャネイロまで、ブラジルの25万人以上の顧客を繋いでいる。(中略)サービスが中断されないように全力を尽くしている」とポストした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
X、広告業界連合を独禁法で提訴 「戦争だ」とイーロン・マスク氏
Xは、多数の大手ブランドが参加する広告業界連合GARMを独禁法違反で提訴したと発表した。ヤッカリーノCEOは「これらの組織の違法行為により、Xは数十億ドルの損害を被った」と主張する。オーナーのイーロン・マスク氏は「戦争だ」とポストした。
Xが非営利団体CCDHを提訴した裁判、Xの訴えは全面却下 Xは控訴へ
イーロン・マスク氏がオーナーのXが非営利団体CCDHを提訴した裁判で、連邦地裁はXの訴えを却下した。CCDHによる不正確な報告書のせいで数千万ドルの収入が失われたという訴えだったが、判事は提訴の目的は将来の批判の抑止だと指摘した。
「名前を変えろ」──イーロン・マスク氏、米OpenAIにリプライ “オープン”の意味巡り溝広がる
「Change your name」(名前を変えろ)──米国の実業家であるイーロン・マスク氏は3月6日(現地時間)、米OpenAIに対してX上でそんなコメントを送った。

