YouTube、クリエイターの権利を守る新生成AI検出ツールを発表
YouTubeは、アーティストやクリエイターの歌声や顔を生成AIでコピーし、使用するのを防ぐための新たな2つのAI検出ツールを開発していると発表した。
米Google傘下のYouTubeは9月5日(現地時間)、アーティストやクリエイターの歌声や顔を生成AIでコピーし、使用するのを防ぐための新たな2つのAI検出ツールを開発していると発表した。
こうしたツールは、AIの創造的可能性を活用しつつ、クリエイターを保護するのに役立つとしている。
1つ目は、YouTube上で自分の歌声を模倣したAI生成コンテンツを自動的に検出し、管理する「合成歌声識別技術」。既存の「Content ID」に組み込まれており、2025年にパイロットプログラムでテストを開始する予定だ。
YouTubeは昨年8月、米大手音楽レーベルのUNIVERSAL MUSIC GROUP(UMG)と提携し、「YouTube Music AI Incubator」を設立した。
2つ目は、クリエイターや俳優、ミュージシャン、アスリートなど、さまざまな業界の人々がYouTube上で自分の顔を映したAI生成コンテンツを検出し、管理できるようにするツール。こちらは開発中で、提供時期については公表されていない。
また、クリエイターのために、サードパーティがYouTube上でそのクリエイターのコンテンツをどう使うかを選択するための新たな方法も開発している。これについては年内にさらに詳しい情報を提供する計画だ。
「われわれは、スクレイピングをブロックすることを含め、不正アクセスを検出して防止するシステムへの継続的な投資など、サードパーティがYouTubeの規約を順守することを確実にするための対策を継続的に講じていく」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
YouTube、自分に似た生成AIコンテンツの削除要請が可能に
GoogleはYouTubeのプライバシーガイドラインを更新し、自分に似た生成AIコンテンツを削除要請できるようにした。対象コンテンツを投稿したユーザーには対処に48時間の猶予が与えられる。
YouTube、生成AIを使ったリアルな動画へのラベル付け義務化開始
YouTubeは、予告どおりクリエイターツールをアップデートし、生成AIで編集あるういは生成したリアルな動画へのラベル付けを義務付ける。誤解を招く動画にクリエイターが放置する場合はYouTubeがラベルを付ける可能性もある。
YouTube、生成AI利用コンテンツに開示義務 違反すれば削除などの罰則対象に
YouTubeは、生成AIツールなどを使って現実と見紛う合成コンテンツを公開する場合はそれを開示することを義務付ける。開示のためのオプションを追加する計画だ。また、自分の声や顔が生成AIコンテンツに使われた場合に削除リクエストできるようになる。
TBSアナの謝罪で話題、YouTubeの「コンテンツID」って?
TBSテレビの宇内梨沙アナウンサーは23日、YouTubeで誤操作により他の動画投稿者に不適切な「著作権の申し立て」をしてしまったと謝罪した。ここに登場する「コンテンツID」とは何か。
