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Microsoft、「信頼性の高い論理量子ビット」12個作成に成功 “世界最強の量子マシン”構築へ
Microsoftは、12個の論理量子ビットの作成に成功したと発表した。同社はAtom Computingと協力し、“世界最強の量子マシン”を構築していることも発表した。
米Microsoftは9月10日(現地時間)、同社が支援する米量子技術企業Quantinuumと協力し、論理量子ビット作成の記録を更新したと発表した。また、米Atom Computingと協力し、“世界最強の量子マシン”を構築していることも発表した。
量子コンピュータはまだ実用段階には達していないが、これは実用化にむけた大きな進歩だとしている。
現在の量子コンピュータは、量子ビットがノイズの影響を受けやすく、エラーが起きやすい。Microsoftは、量子ビットをノイズから保護し、一貫性を維持させるために、複数の物理量子ビットを組み合わせた「信頼性の高い論理量子ビット」を使う必要があるとしている。
MicrosoftはQuantinuumとの共同研究で、12個の信頼性の高い論理量子ビットの作成とエンタングルメントに成功した。また、この論理量子とHPC(クラウドハイパフォーマンス・コンピューティング)とAIを組み合わせた初のエンドツーエンドの化学シミュレーションを実証した。このシミュレーションで、特定の触媒問題の基底状態エネルギーを正確に予測できたとしている。
Atom Computingとの提携では、商業用量子マシンをAzure ElementsおよびCopilotと統合することを目指す。
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