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民間初の宇宙遊泳、SpaceXが成功 独自開発の宇宙服をテスト
米SpaceXは9月12日(現地時間)、民間初となる宇宙空間での船外活動を成功させた。同社が開発した新型宇宙服のテストを目的としたもので、2名が高度700kmの宇宙遊泳を体験した。
米SpaceXは9月12日(現地時間)、民間初となる宇宙空間での船外活動を成功させた。同社が開発した新型宇宙服のテストを目的としたもので、4人を乗せた宇宙船「Crew Dragon」から、船長のジャレッド・アイザックマン氏(宇宙飛行士でShift4 Payments創業者兼CEO)などが船外に出て宇宙服をテストした。
このミッションは「Polaris Dawn」と名付けられ、9月10日に打ち上げられたCrew Dragonは、アポロ計画以来となる最高高度1400kmに到達したのち、船外活動を行う高度700km付近でテストを開始。Crew Dragonはエアロック機構を持たず、船内を順次減圧し、新型宇宙服を着た状態で4人は真空状態を体験することとなった。船外活動はアイザックマン氏の他、ミッションスペシャリストのサラ・ギリス氏の2名が行った。
新型宇宙服は、月や火星での稼働も想定している。SpaceXは「月面に基地を建設し、火星に都市を建設するには、何千もの宇宙服が必要になる。この宇宙服の開発と、このミッションで行われた船外活動は、将来の長期ミッションにおける宇宙服の拡張可能な設計に向けた重要なステップとなるだろう」としている。
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