OpenAI、66億ドルの資金調達 評価額は1570億ドル
OpenAIは、66億ドル(約9670億円)の新規資金調達を発表した。企業評価額は1570億ドル。「世界中で2億5000万人を超える人々がChatGPTを使用している」としている。
米OpenAIは10月2日(現地時間)、66億ドル(約9670億円)の新規資金を調達したと発表した。資金調達後の評価額は1570億ドル。
この資金により「最先端のAI研究におけるリーダーシップを強化し、コンピューティング能力を高め、人々が困難な問題を解決するのに役立つツールの構築を継続することができる」としている。
同社は、「毎週、世界中で2億5000万人を超える人々がChatGPTを使用して」おり、「これはまだ始まったばかり」だという。
サム・アルトマンCEOは資金調達発表の数日前、個人ブログで「人類はAIがけん引する新時代に入りつつある」と主張した。
The Informationによると、米投資会社のThrive Capitalが主導するこのラウンドには、米国のMicrosoft、NVIDIA、Tiger Global Management、Khosla Ventures、日本のソフトバンクG、アラブ首長国連邦の投資会社MGXが参加しているという。米Appleも参加を検討していたが、撤退したと報じられている。
米Wall Street Journalによると、Microsoftは10億ドル弱、ソフトバンクは5億ドル、NVIDIAは1億ドル投資したという。
66億ドルという調達額は、イーロン・マスク氏率いる米xAIが5月に発表した調達額60億ドルを上回る。
OpenAI、非営利組織から営利企業へとシフトしつつあると報じられている。この動きは投資家を引き付けはしたが、多くの幹部流出につながった可能性が高い。アルトマンCEOの解雇と復帰騒動以来、多数の幹部従業員が退社している。
OpenAIは非公開組織なので収益などは公式に発表していないが、New York Timesによると、2024年の売上高は約37億ドルで、純損失は数十億ドルという。ChatGPTのようなAI技術の構築と運用には電力などに高いコストが掛かる。
OpenAIは2015年の立ち上げ段階では非営利組織だったが、共同創業者のイーロン・マスク氏が組織を離れ、資金提供をやめた後、アルトマン氏がOpenAIをいわゆる利益上限性企業に転換したことで、これまで数十億ドルの調達が可能になっていた。
New York Timesによると、今回の投資ラウンドの条件には、OpenAIが2年以内に営利企業に転換しなければ資金が負債に転換されることになるという。
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