X、プライバシーポリシー改定へ 第三者のAIトレーニングへのデータ提供を明文化
Xは11月15日に発効する新プライバシーポリシーを公開した。ユーザーデータを第三者によるAIトレーニングのために提供することの明文化など、複数の変更がある。提供を拒否するためのオプトアウト機能が追加される見込み。
米Xは10月16日(現地時間)、プライバシーポリシーとサービス利用規約にいくつか更新を加えると発表した。プライバシーポリシーのページは既に、11月15日に発効する新しいポリシーに切り替わっている(現行ポリシーも確認可能だ)。
大きく変わるのは、第3条の「情報の共有」の3.2項の「サードパーティおよびサードパーティ統合」。
項目の最後に以下の段落が追加された。
第三者の協力会社:お客様の設定に応じて、またはお客様がデータを共有している場合、当社はお客様の情報を第三者と共有したり、第三者に開示したりすることがあります。オプトアウトしない場合、情報の受信者は、Xのプライバシーポリシーに記載されている目的に加えて、例えば、生成型か他のタイプかを問わず、人工知能モデルのトレーニングなど、独自の独立した目的のために情報を使用する場合があります。
これはつまり、ユーザーがオプトアウトしない限り、サードパーティがXのデータを使ってAIモデルをトレーニングすることを許可すると明文化したものだ。ただし、日本時間の10月18日現在、設定にはオプトアウトするための機能は見当たらない。
Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は、自身がCEOを務める別会社xAIのAIチャットbot「Grok」のトレーニングにXのユーザーデータを使ったことで、欧州連合でプライバシー監視を担うデータ保護委員会(DPC)に起訴された。
また、3.3項「危害の防止または公共の利益のため法律が定める場合」に、「規制要件の順守、安全性、セキュリティ、詐欺行為、顧客確認、事業確認、および本人確認のために」、「お客様の年齢や身元情報を当社のパートナー、サービスプロバイダー、その他と共有または開示する場合も」あるという段落が追加された。
第7条「Xの利用対象者」も改定される。従来から13歳未満ではサービスを利用できないとしているが、さらに、それでも13歳未満の児童がXに個人情報を提供してしまった場合、その情報を削除し、アカウントを終了するという文言を追加した。
この他、ユーザーデータの保存期間に関する変更などもあるので、ユーザーには一読をお勧めする。
サービス利用規約の変更点については、別記事を参照されたい。
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