Microsoft、独自Armプロセッサ「Azure Cobalt 100」の仮想マシンを正式提供開始
米Microsoftは、同社が独自に開発したArmベースのプロセッサ「Azure Cobalt 100」の仮想マシンを10月16日付けで正式版として提供開始したことを発表しました。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「マイクロソフト、独自Armプロセッサ「Azure Cobalt 100」の仮想マシンを正式提供開始」(2024年10月29日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Microsoftは、同社が独自に開発したArmベースのプロセッサ「Azure Cobalt 100」の仮想マシンを10月16日付けで正式版として提供開始したことを発表しました。
Microsoftは昨年(2023年)11月に、クラウド向けに最適化したArmベースの独自設計プロセッサとして「Azure Cobalt 100」を発表し、今年(2024年)5月にはプレビュー公開していました。
同社はこれまで提供していた旧世代のArmベースの仮想マシンよりもAure Cobalt 100ベースの仮想マシンの方がCPU性能で最大1.4倍、Javaベースのワークロードで最大1.5倍の、Webサーバで最大2倍の性能を発揮し、ローカルストレージの IOPSは最大4倍、ネットワーク帯域は最大1.5倍で、最大で50%優れた価格性能を提供するとしています。
Azure Cobalt 100ベースの仮想マシンは、以下の3つのシリーズが提供されます。
- Dpsv6シリーズ:最大96 vCPUs/384 GiBsメモリ(4:1 memory-to-vCPU ratio)
- Dplsv6シリーズ: 最大96 vCPUs/192 GiBsメモリ (2:1 memory-to-vCPU ratio)
- Epsv6シリーズ:最大96 vCPUs/672 GiBsメモリ(up to 8:1 memory-to-vCPU ratio)
対応するOSとしてCanonical Ubuntu、CentOS、Debian、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Enterprise Linux、Alma Linux、Azure Linux (via AKS)、Flatcar Linuxなど主要なLinuxディストリビューションがそろっています。
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