群馬県庁、全会議室にスマートロック導入
群馬県庁は、会議室の鍵の受け渡しにかかる時間や手間を削減するため、ビットキーの提供するコネクトプラットフォーム「workhub」とスマートロックを導入した。
この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「群馬県庁、全会議室にスマートロック導入で業務効率化を実現」(11月19日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
群馬県庁は、会議室の鍵の受け渡しにかかる時間や手間を削減するため、ビットキーの提供するコネクトプラットフォーム「workhub」とスマートロックを導入した。11月19日、ビットキーが発表した。これにより、県庁内のすべての会議室の鍵がデジタル化され、職員の働き方改革を促進する。
従来、群馬県庁では、33階建ての庁舎内の複数階に点在する会議室の鍵を、11階の財産有効活用課で一括管理していた。職員は会議の度に窓口へ行き、所属部署や氏名の確認、記帳を行った上で鍵を借り、会議後は再び窓口へ鍵を返却する必要があった。このため、鍵の受け渡しに多くの時間と手間がかかり、業務効率を阻害する要因となっていた。
群馬県庁は、業務効率化を図るためスマートロックの導入を検討。ビットキーのworkhubは、県庁のWi-Fiを使用せずにLTE通信で利用できるセキュリティ上の利点、将来的に県職員が利用するOutlookカレンダーとの連携が可能である点、工事が不要でコスト面でも負担が少ない点などが評価され、導入に至った。
導入に先立ち、群馬県庁は一部の会議室で試験導入を行い、利用者へのアンケートを実施。「便利になった」との回答が98%に達した。従来の運用方法と比較した場合の、1会議あたりの時間短縮効果は「10分以上」との回答が63.9%あった。
群馬県の中山樹氏(総務部 財産有効活用課 主事)は、「群馬県庁では、新・ぐんまDX加速化プログラムを策定しており、全庁を挙げてDXを推進しています。この度、会議室の鍵をデジタル化したことで、業務時間の削減はもちろんのこと、働きやすさの観点からもポジティブな反応がありました。職員へのアンケートでは、『鍵の受け渡しが不要になり、その分、業務に集中できるようになった』という声もあり、取り組みの意義を感じています。」とコメントしている。
また、鍵を管理する側の業務効率化にも貢献している。従来は1日約20件の鍵受け渡しの手間と、鍵返却が遅れている場合に催促するなどの業務負担があったが、スマートロック導入によりそれらが解消された。1日あたり1時間から2時間程の業務削減につながっている。
今後、群馬県庁では企業が入居するコワーキングスペースのセキュリティシステムの一元化や、公用車の物理鍵の管理のデジタル化も視野に、職員の働きやすさ向上に繋がる業務効率化を進めていく。
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