「チルノのパーフェクトさんすう教室」「今だけダブチ食べ美」の声優、実は金融系SEだった 不思議な二足のわらじについて、本人に聞いた(3/5 ページ)
「チルノのパーフェクトさんすう教室」「今だけダブチ食べ美」など、ネットを席巻してきたコンテンツの声優・歌手として知られるmikoさん。不思議な二足のわらじについて、本人にインタビューした。
「実はビビリでリアリスト」 二足のわらじを続ける理由
それでも今の仕事で兼業を続けるのは、自分の社会的立場への不安が理由だという。
「リーマンショック世代の人間で、正社員の立場を得るのに苦労した人間なので『次私はどこで雇ってもらえるんだろうか、何を武器にしたらいいんだろうか』と考えていました。あとは人に養ってもらう才能が絶望的にないので、どうにか一人で生きていかなきゃダメだって諦めがついたことも理由ではあります(笑)」
ヒット作があるにもかかわらず、就職と同時に活動をやめようと考えていたのも、同様の不安からだった。mikoさんは自身の性格を「作品のイメージからは想像できないかもしれないが、ビビリで不安症、リアリスト」と評す。
「将来の不安とお金の不安を抱えて活動するなんて無理だと思っていました。音楽で売れなくても、生活に困らない状況を作っておきたかった」
今の仕事のいいところ・悪いところは
現実志向でSEを選んだというmikoさんだが、今の仕事は音楽・声優活動と両立しやすく、気に入っているところもあるという。例えば服装に規定がないため「週末にライブをして帰ってきて、そのまま寝てしまっても、ライブ用のキラキラのネイルをしたままでも何も言われない」
逆に、相性が悪い点もある。「私に限らず全てのエンジニアに当てはまると思うんですが、締め切りは変えられません。基本的には何があっても間に合わせなきゃいけないので、勤務時間が長くなることもあります。その期間は副業の仕事を受けられないし、ライブの予定を入れてしまっていたら、どんなに本業で体力を消耗していようとそのスケジュールは変えられない。ライブの練習も平日夜が多いんですが、その時間も削られます」
ただ、コロナ禍では二足のわらじが幸いしたとmikoさん。当時は外出やイベントの自粛により、ライブハウスやミュージシャンが大打撃を受けたが「当時はすでにITに足を突っ込んでおり、(当時)在宅勤務を支援する仕事をしていたので、むしろ本職の仕事が激増しました。出社したら、15人くらい(対応を待つ)待機列ができていたこともあります」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
初音ミクが生きてきた16年を振り返る 究極のバーチャルシンガーはどこがすごかったのか
NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」をネタに、初音ミクについて語りました。
「東方Project」ZUNさん、Xアカウント奪還 攻撃者にメアド変えられ、パスキー認証弾かれ……
「東方Project」の原作者・ZUNさんが10月8日、何者かに乗っ取られていた自身のXアカウント「@korindo」を取り返したと発表し、その経緯を紹介した。
輝け、アイドル──「学園アイドルマスター」を支えるライティング手法とは? 開発元が資料を無料公開中
サイバーエージェントの子会社で、ゲーム開発などを手掛けるQualiArtsは6月27日から、スマートフォンアプリ「学園アイドルマスター」の開発環境に関する資料を無料公開している。
「ニコニコ」規制強化、「児童や児童を想起させる人物の性的搾取」など……海外の法令にも対応
「ニコニコ」は、海外の法令などに違反するおそれのある描写を含むコンテンツについて、規制範囲を見直す。
「ニコ動世代が出世した?」 日清の「エルシャダイ」コラボ、Xでは公開後1日で1000万インプ超えに
「そんなカプヌで大丈夫か?」――日清が9月3日に投稿したWebCMが話題になっている。2011年に発売されたゲーム「エルシャダイ」とコラボしたもので、Xでは公開後1日で1000万インプレッションを突破した。2010年前後のインターネットミームを使ったプロモーションが増えており、「ニコニコ動画直撃世代が出世したのでは」といった声も見られている。

