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どうする? 大学生用パソコンの選び方 「4年通しよりも2年で買い替え」がオススメな理由小寺信良のIT大作戦(2/4 ページ)

大学進学の際、授業料だ奨学金だといったお金の問題の中で、簡単に考えていると地味にハマるのが「大学生用PCをどうするか」である。来年から大学生になる子供を抱える親として、またPCで30年以上食ってきた技術系ライターとして、大学生が使うPC像にフォーカスしてみたい。

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4年間使う前提でいいのか?

 一般に大学のカリキュラムは、1〜2年生までは教養課程、3〜4年から専門課程となる。これに応じて、1〜2年と3〜4年ではキャンパスが違うという大学も珍しくない。一般に1〜2年は、郊外キャンパスに割り振られる。

 そう考えると、大学前期と後期では求められるスペックは当然変わってくる。そもそも、4年間ずっと使うという前提自体がおかしい。前期は遠距離通学になる可能性があることや、座学中心となることから、通学時や教室移動の負担を考慮すべきである。後期は通学も近くなり研究も多くなることから、移動負担よりもCPUやGPUパワーが重要になる。パワーが必要になった時点でもう古い、というのでは困るわけで、大学生のPCは大学前期と後期で別に考えるべきではないのか。

 前期において移動の負担ということでは、軽量であることが望ましいが、一般に軽量PCはそれだけで付加価値があるため、高価だ。さらに使うのが19〜20歳ぐらいの年齢ということを考えれば、軽量化と共にある程度の堅牢性も必要である。

 PCは小型になれば重量も軽くなる。堅牢性とのバランスを考えれば、13インチ程度の一般的なノートPCが妥当ということになるだろう。加えて2年しか使わないと割り切るならば、最新PCである必要はない。

 一般にPCの耐用年数は4〜5年とされているが、実際には会社支給のPCなどはもっと長く使っていることだろう。それで処理能力に支障があるかと言えば、一般業務であれば4〜5年前のPCでは全く役に立たないということはないだろう。

 筆者の手元には2020年に購入したM1版 MacBook Airがあるが、取材やモバイルでの原稿執筆に何か支障があるかと言えば、全くない。なんなら4Kビデオ編集もこなせる。


まだまだ使えるとの声を聞くM1 MacBook Air

 今はもう処理速度の問題よりも、バッテリーの耐用年数のほうが問題だろう。これが大体5〜6年で性能が落ちてくる。バッテリー内蔵型の場合は、膨張し始めるとそもそも使えなくなるので、そこで修理するか、寿命を迎えることになる。

 バッテリーの耐用年数を考えれば、最初の1〜2年向けのPCは、2〜3年落ちぐらいのモデルで十分だろう。中古品という手もあるが、昨今はメーカーでもリファービッシュ品の販売に力を入れており、純粋な中古品よりも信頼できる。

 大学がPCショップと提携して、廉価なPCを提供しているケースもある。娘の大学もそうしたショップがあり、ラインアップを調べてみたが、なんと4年前のモデルであった。ショップで手厚い保証はついているが、修理している間は使えないわけだし、代替え機があっても必要なデータやアカウントを全部入れ直しの手間を考えると、良い選択肢とは思えない。

 選択順としては、値下げされた流通在庫 > メーカーリファービッシュ品 > 大学提携ショップ品 > 中古品ということになるだろう。その他、メーカーによっては学生・教員向けの特別価格で販売するところもあり、大体15%オフぐらいで買えるようだ。2年前のリファービッシュ品とどっちが安いかということになるが、リファービッシュ品はモデルに選択肢が少ない。ちょうどいいモデルがあるかどうかで考えるべきだろう。

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