ヒートショック対策の脱衣所暖房、陥りがちな“落とし穴”:知らないと損!?業界最前線(2/4 ページ)
冬の寒い季節、家の中で気をつけたい健康リスクの一つが「ヒートショック」だ。ヒートショックは、浴室や脱衣所、トイレなどで起こりやすいため、暖房器具の導入を考えている人も多いだろう。そこで、ヒートショック防止のための暖房器具選びの落とし穴とおすすめモデルを紹介する。
脱衣所暖房の落とし穴とは?
脱衣所に設置する暖房器具選びで陥りがちなのが、手軽さやコスト、サイズといった表面的な部分で選んでしまうことだ。脱衣所に暖房器具を設置する際の注意点を見ていこう。
- 脱衣所は狭い
脱衣所(洗面所)は一般的に手狭な空間だ。一般的な戸建て住宅で1坪(3.3m2)ほどで、集合住宅はさらに狭い場合が多い。そこに、例えば余っていたからといって、石油ファンヒーターや電気ストーブを持ってくるのはお勧めできない。
暖房機器メーカーのコロナによれば、遠赤外線の電気ストーブを安全に使うには、前面から1m以上、背面は壁から30cm以上離さなければならない。石油ファンヒーターの場合は背面と側面を壁から15cm以上離し、吹き出し口から1m離れて使う必要がある。意外とスペースが必要なのだ。
- 脱衣所は燃えやすいものが多い
そして熱源が露出している石油ストーブや電気ストーブを床置きした場合、万が一タオルなどが覆いかぶさった時に火災のリスクが高まってしまう。脱衣所では肌が露出するから火傷を負うこともあるかもしれない。子どもや高齢者などがいる家庭では特に注意が必要だ。
- 水がかかることも
お風呂上がり、あるいは洗濯機を使う際に水がかかることもある。仮に水がかかって内部に入ってしまうと、感電や漏電火災、誤動作の原因にもなる。暖房機は水がかかりにくい場所へ設置することはもちろん、水がかかっても内部に入り込みにくい構造のものが望ましい。
これらのリスクを避けるなら、脱衣所暖房はタイマーや人感センターを搭載した“壁掛けタイプ”が理想的だ。壁の空きスペースやコストの都合で難しい場合は、床置きのセラミックファンヒーターがおすすめ。タワー型ではなく、接地面積の広い暖房器具を選ぶことで器具の転倒などを低減できる。
具体的な製品をピックアップしよう。
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