デジタル一眼とスマホカメラの“現在地” いろいろなシチュエーションで比較してみた:荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/4 ページ)
ここ1〜2年のスマホカメラの画質には目を見張るものがありますな。デジカメとスマホカメラの両方をレビューしている身として、いろいろと感じることもあるのであえて比較してみた。
iPhoneに限らず、今のスマホカメラはリアルタイムHDRに対応したセンサーを使っている上に常に複数枚の撮影をし、複雑なデジタル処理をかけることでダイナミックレンズの広い写真(HDR写真)を生成するのがデフォルトなのだ。昔に比べるとレベルも上がったものである。
もちろんデジタル一眼でもHDR機能は持っているし、ノウハウを持っている人ならわざと白トビしないようアンダーで撮って現像時にシャドウ部を持ち上げて調整するが、スマホは良くも悪くも自動的に判断してそれをかけてくれるのが大きな違い。
連写+合成の技はノイズを減らすのにも役立つ。
数年前まではスマホカメラのようにセンサーサイズが小さなカメラは高感度時のノイズが大きく画質が劣化すると言われていたが(実際、劣化するのだけど)、連写+合成でノイズを軽減したり、高度なノイズ低減処理で、高感度時の画質はぐんと向上した。
ディテールはいくらか失われるが、等倍でチェックしない限り分からないレベル。夜景モード(ナイトモード)が働かなくても十分なクオリティだ。
デジタル処理は完璧ではないので、時には不自然な階調になっちゃうこともあるし、シャドウ部を無理に持ち上げることで色がおかしくなることはある。
例えば、日陰は色温度が高いのだが、そこを持ち上げることで妙に青っぽくなるとか。肌色も端末によってクセがあっていい感じに出てくれるとは限らない。
でも、スマホカメラのHDRに助けられることもある。
私は東京の歴史散歩系の本を10冊ほど出しており、掲載する写真も自分で撮影・レタッチしているが、ここ2年ほど、しれっとiPhoneで撮った写真が紛れ込んでる。シチュエーションによってはiPhoneで撮ったHDRが効いた写真の方が良いからだ。屋外の写真って撮影した時刻、季節、天候によって大きく変わるわけで、それが面白さの一つなのだけど、そういう条件に左右されない写真が必要なことはあるのだ。
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