「Skype」、22年の歴史に幕 Microsoftは「Teams」への移行を推奨
Microsoftは、「Skype」の提供を2025年5月5日に終了すると発表した。ユーザーには無料の「Microsoft Teams」に移行するか、データをダウンロードするよう呼び掛けた。2003年立ち上げのSkypeは、eBayに買収された後、2011年にMicrosoftが買収した。
米Microsoftは2月28日(現地時間)、コミュニケーションツールの「Skype」の提供を2025年5月5日に終了すると発表した。今後は無料のコミュニケーションサービス「Microsoft Teams」に注力する。Skypeユーザーには終了までにTeamsへの移行か、データのダウンロードを完了するよう呼び掛けた。
Teamsへの移行方法
今後数日間で、SkypeユーザーがSkype資格情報を使ってTeams にサインインできる機能を展開する。
SkypeアカウントでTeamsにログインすると、チャットと連絡先がアプリに自動的に表示されるので、中断したところからすぐに再開できる。
移行期間中、TeamsユーザーとSkypeユーザーは通話やチャットを行える。
SkypeユーザーはTeamsに移行後も、5月5日まではSkypeも使える。
Skype有料サービスの変更
Skypeサブスクリプション、Skype番号、Skypeクレジットの新しい購入は利用できなくなっている。
既存のサブスクリプションを持つユーザーは、4月3日までサブスクリプションを更新できる。それ以降、すべてのSkype サブスクリプションは廃止され、購入、更新、または再アクティブ化できなくなる。
MicrosoftはSkypeユーザー向けの情報をサポートページにまとめている。
Skypeヒストリー
Skypeは2003年に“無料IP電話サービス”として立ち上げられ、2005年に米eBayが26億ドルで買収。その時点のユーザー数は5400万人だった。
eBayの下で一時期はユーザー数を4億人以上に増やしたが、リーマンショック後にeBayがSkypeを手放すと発表し、最終的にMicrosoftが2011年に85億ドルで買収した。
Microsoftは2013年にはSkypeをWindowsの標準搭載アプリとし、メッセージングサービス「Windows Live Messenger」や「Lync」をSkypeに統合していった。
Skypeと平行して、Microsoftは2016年、当時台頭してきた「Slack」に対抗するため、チャットベースのワークスペースとしてMicrosoft Teamsを導入し、2018年に無料でも提供を開始した。
Microsoft TeamsのMAU(月間アクティブユーザー数)は、2024年第1四半期時点で3億2000万人と発表されている。
Skype終了の公式ブログでは、「過去2年間で、Teamsのコンシューマーユーザーが会議に費やした時間は4倍に増加した」としている。
MicrosoftはSkypeの現在のユーザー数については言及していない。2023年にSkypeに「Bing」を搭載すると発表した際、Skypeのユーザー数を3600万人としていた。
Skypeの共同創業者、ニクラス・ゼンストローム氏はLinkedInで、「通信の独占を打破し、世界を少し小さくするためにSkypeを作った」とし、「現在、他の企業がこの分野で革新を起こし、まったく新しい世代に新しいサービスを提供しているが、その多くは、オーストラリアに電話をかけるのにどれほど高価だったかを知らないだろう」と語った。「Skypeの遺産は、同社の卒業生によって設立された900以上の企業や欧州のテクノロジーエコシステムに生き続けている。Skypeに参加できたのは光栄なことで、業界の変化を見ることができたのも光栄だった」
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