国際天文学連合は3月11日、土星に見つかった新たな衛星128個を認定したと発表した。これで土星の衛星は274個となり、木星の95個を超えて太陽系で最も多くの衛星を持つ惑星となった。
台湾、カナダ、米国、フランスの天文学者で構成される研究チームが、ハワイのマウナ・ケア山に設置された「カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡」(CFHT:Canada-France-Hawaii Telescope)を使って発見した。
研究チームは2019年から21年にかけて土星周辺の空を細かく撮影。複数の画像を組み合わせ、天体の信号(像)を強くする手法で、相次ぎ新たな衛星を発見した。
これらの衛星は数kmという大きさで、すべて不規則衛星(惑星から離れた位置を公転し、大きな軌道離心率と傾斜角を持つ衛星)だった。このため研究チームのブレット・グラッドマンさん(ブリティッシュ・コロンビア大学教授)は「もともとあった衛星が、他の衛星か、通りかかった彗星と衝突してバラバラになった破片ではないか」とみている。衝突は、過去1億年以内の「比較的、最近」にあった可能性が高いという。
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