デジカメなのに「期限切れフィルム」? 「X half」は富士フイルムにしか作れないカメラだった:荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/9 ページ)
「X half」は、趣味性の高いデジタルカメラだ。Xシリーズでありながらinstaxシリーズっぽさもあるデザインや質感で、アナログっぽいエフェクトを楽しめる。
富士フイルムが他社と大きく違うのは、全く異なったテイストの2つのカメララインを持ってることだと思うのである。
一つはいうまでもなく「Xシリーズ」。レンズ一体型からラージフォーマットのレンズ交換型まで幅広く、フィルムシミュレーションでフィルムメーカーならではの風合いある写真を撮れる。趣味性の高いシリーズだ。富士フイルムのデジカメといえばXである。
もう一つは「チェキ!」で知られる「instaxシリーズ」。アナログのインスタントカメラなんだけれども、昨今、カメラ部をデジタル化したハイブリッドインスタントカメラ「Evo」シリーズも登場している。デジタルならではのエフェクトをかけてインスタントフィルムに出力することで、デジタルなんだけど実にアナログっぽい表現を可能にしたのだ。
で、両者が融合したのが新製品の「X half」(X-HF1)なのである。内部事情は知らないけど、たぶんそうだ。
だから、Xシリーズでありながら、instaxシリーズっぽさもあるデザインや質感を持ち、「instax mini Evo」が持つフィルターを搭載した、アナログっぽいエフェクトを楽しめる趣味性の高いデジタルカメラとなったのである。
面白いのがセンサーが縦に入っていて、縦位置に写真がベースになっていること。これ、フィルム時代のハーフサイズカメラをモチーフにしていると同時に、instax miniと同じような縦位置写真を撮れるってことなのだと思う。
ハーフサイズのカメラって年配の人しか知らないだろうけど、まあ、35mmフィルムのヒトコマ分を半分ずつ使って撮影枚数を増やす&カメラをコンパクトにしようってんで誕生したものだ。
その代表がOLYMPUSの「PEN」。手元に「PEN EED」(1967年)があったので並べてみた。なんとなく雰囲気が似てるよね。光学ファインダーの窓が縦長だし。
つまり、往年のハーフサイズコンパクトカメラをモチーフに最新のXシリーズとハイブリッドチェキ!の両方のテイストを入れ込んだ、唯一無二のカメラなのだ。
面白そうだよね。
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