銀塩カメラ的“縛り“もオジさん達に大ウケの富士フイルム「X half」 きっかけは入社2年目の若いデザイナーだった:分かりにくいけれど面白いモノたち(6/7 ページ)
まず思ったのは「デジタルカメラでハーフサイズってどういうこと?」だった。富士フイルムの「X half」である。この興味深いけれども、どこか不思議なカメラについて、開発担当者に詳しい話を聞いてきた。
面白いのは、ここまでフィルムカメラに近づけていながら、しっかりムービーモードがあり、フィルムシミュレーションにもムービー撮影に向いた「ETERNA」が用意されていること。そして、ビックリするのは、2in1機能による組写真にもムービーが使えることだ。
片方をスチル、片方をムービーにも出来るし、両方をムービーにもできる。また、複数枚の写真を選んで横スクロールで見せる、スライドショー・ムービーを作る機能もある。
やはりX halfの開発に携わった富士フイルムの米山諒さん(イメージングソリューション事業部商品企画グループ)は、「それも、組写真のアイデアから生まれた機能です。最初の提案のアイデアは大切にしています」と話す。「撮影の時だけじゃなく、撮影した後にアプリを使いギャラリーで鑑賞するように写真を楽しめるとか、撮った写真をスムーズに出力してリアルのプリント物で楽しめるとか、ただのカメラに留まらず、写真体験全体として楽しんでもらいたいという思いで、我々が持っている他の写真製品との連携をさせています」と、かつてのフィルムの「ベタ焼き」のようなプリントを見せてくれた。
アプリの「フィルムカメラモード」の表示画面から、直接コンタクトシートのようなプリントが注文できるサービスがあるのだ。また、撮った写真を縁なしのパネルにしてくれるサービスもある。小口が黒や白に塗られているあたり、とても芸が細かい。
もちろんチェキとの連携も可能。X half本体から、直接、撮った写真をBluetoothで“チェキ”スマホプリンターに送り、写真として出力が行えるのだ。この、カメラから直接プリントできるというのが、「チェキ」の思想を尊重しているようでとてもいい。
フィルムを選び、絞り優先オートで露出をあらかじめコントロールしながら撮る写真は、撮ったあとの加工をする気がなくなるのが面白かった。昔のカメラみたいに日付を焼き込む設定にすると、トリミングもしにくくなるので、撮影時に構図をしっかり考えるようになった
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