Alphabet決算、AIが成長を牽引し市場予想を上回る増収増益
Alphabetの4月〜6月期決算は、売上高が前年同期比14%増、純利益が19%増と市場予想を上回り、8四半期連続の2桁成長を達成した。AI関連サービスやGoogle Cloudが好調だった。AIインフラへの投資を加速し、通期の設備投資額を増額する方針だ。
米Googleの持株会社である米Alphabetは7月23日(現地時間)、第2四半期(4月〜6月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は前年同期比14%増の964億2800万ドル(アナリスト予想は940億ドル)、純利益は19%増の281億9600万ドル(1株当たり2.31ドル、アナリスト予想は2.18ドル)だった。売上高は8四半期連続の2桁台の増加で、アナリスト予測を大きく上回った。
スンダー・ピチャイCEOは、「今四半期は傑出した業績を上げ、事業全体で力強い成長を遂げた」とコメントし、「AIの最前線をリードし、驚異的なペースで提供を進めている。AIは事業のあらゆる部分に良い影響を与え、強力なモメンタムを推進している」と強調した。
ピチャイ氏は業績発表後の電話会見で、米国とインドで提供を開始した「AIモード」のMAUが1億人を超え、「AIによる概要」のMAUは20億人を超え、GeminiアプリのMAUは4億5000万人に達したと語った。Geminiアプリでの1日当たりのリクエスト数は第1四半期から50%以上増加しているという。AIによる概要の前期のMAUは1億5000万人だった。
部門別では、広告、Android、Chrome、デバイス、Googleマップ、Google Play、検索、YouTubeを担う「Googleサービス」セグメントの売上高は12%増の825億4300万ドル。YouTube広告の売上高は97億9600万ドルと、引き続き力強いパフォーマンスを見せた。
インフラ、プラットフォームサービス、アプリを含む「Google Cloud」セグメントの売上高は32%増の136億2400万ドル。 Google Cloud Platform(GCP)のコア製品、AIインフラ、生成AIソリューションの成長が牽引した。
Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は2%増の3億7300万ドル(営業損失は12億4600万ドルで、前年同期より増加した)。
総従業員数は前年同期より7521人増の18万7103人だった。
同四半期の設備投資額は224億4600万ドルで、前年同期比で70%増加した。ピチャイ氏は、クラウド製品およびサービスに対する力強い需要増に対応するため、2025年通期の設備投資額を約850億ドルに増やすと語った。
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