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「MHP2G」は約9カ月で開発した──辻本Pが振り返る「モンハン」21年の歴史 初代から4Gまでの10年間【前編】(2/4 ページ)

カプコンは7月24日、「CEDEC 2025」で、人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」の歴史をひもとく、基調講演「『モンスターハンターシリーズ』 21年の継続と仕掛け」を行った。

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 初代モンハンからすでに、オンライン対応ゲームとして販売していたが、2004年当時のネットワーク環境では壁も多かったと辻本プロデューサー。2000年初頭の通信は、家庭用電話にモデムを付けるのが一般的で、その通信速度は32kbpsだったという。これは1G回線の3万分の1程度の値だ。


2000年初頭のネットワーク環境

 そんな中、オンラインサービス部分についてはKDDIと連携。オンラインゲーム用のサービス「マルチマッチングBB」(MMBB)を開発し、定額でオンラインゲームをプレイできる環境を実現した。そうしてサービスを開始したところ、KDDIのサーバが足りなくなるほど、当時からモンハンはプレイヤーに好評だったという。

 初代モンハンのセールスは、グローバルでの販売本数45万本という結果に。「開発の手応えとしては、遊んでくれている人がものすごく楽しんでくれていた。プレイヤーがゲーム仲間を誘ってくれるという、コンセプトの1つでもあったコミュニケーションがユーザー間で生まれてきているという手応えは感じていた」と辻本プロデューサー。一方、プレイヤーのブロードバンド回線の普及などの課題もあった。

 その後2005年1月20日には、拡張版である「モンスターハンターG」(PS2)を発売。新たな高難易度モード「G級クエスト」や、新武器種「双剣」などを実装した。なお、タイトルの“G”の由来については「ガッツとかグレートなど、Gが頭について勢いがあるような英単語が多かったので、タイトル名を付けた」という。


「モンスターハンターG」

 また双剣については、Gで初めて実装したのではなく、初代モンハンの海外版から追加していた。海外版で双剣を先行実装していた理由については「当時、海外の人は“手数が多い武器を好む”という意見をもらっていた。これを反映して、手数が多い武器として双剣を追加した」と説明している。

携帯ゲーム機「PSP」登場 進化するマルチプレイ環境

 ネットワーク環境の壁があり、もっと気軽にマルチプレイを遊んでもらう方法を模索する中で、携帯ゲーム機「PlayStation Portable」(PSP)が2004年12月12日に登場する。モンハンシリーズでもその後、初の携帯機展開として「モンスターハンター ポータブル」(PSP)を2005年12月1日に発売。ゲームセンターの数がますます減る中、若い世代をターゲットに同タイトルを開発した。


「モンスターハンター ポータブル」

 モンハンポータブルについて、辻本プロデューサーは「モンスターハンターのマルチプレイの醍醐味・面白さをすごく広げてくれたタイトル」と評価。また据え置き機のモンハンでは、コントローラーの右スティックで攻撃するという操作方法だったが、PSPでは右スティックがなかった。そのため、今ではおなじみのボタン操作へと変更に。「ハードの制限から生まれたこととはいえ、結果的にすごく大きな変更だった」

 その後2006年2月16日、据え置き機の続編「モンスターハンター2」(PS2)を発売。モンハンポータブルと同時開発していた同作は、初代の手応えを受けて、やりきれなかったことを全てやるをテーマとした。ここでは新武器種として「弓」「ガンランス」「狩猟笛」「太刀」が追加となった。


「モンスターハンター2」

 またモンハン2では、サーバ側の企画も強化。時間経過によって昼夜や季節が変わり、モンスターのパラメータやクエストの出現率が変わるなど、ある程度の情報をサーバで管理して変化する環境も構築した。

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