「MHP2G」は約9カ月で開発した──辻本Pが振り返る「モンハン」21年の歴史 初代から4Gまでの10年間【前編】(4/4 ページ)
カプコンは7月24日、「CEDEC 2025」で、人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」の歴史をひもとく、基調講演「『モンスターハンターシリーズ』 21年の継続と仕掛け」を行った。
男女ユーザー、両方へ高まる意識
これまでのシリーズを踏まえ、女性ユーザーを強く意識したというタイトル「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」(PSP)を2010年8月26日に発売。当時、ユーザーのゲーム離れなどを感じていたという辻本プロデューサー。「暇なときには携帯機を取り出して遊ぶ環境を一般化したい気持ちがあった」と当時を振り返る。
その4カ月後に当たる、2010年12月1日。ポータブルシリーズの集大成となる作品「モンスターハンターポータブル3rd」を発売した。販売本数490万本を記録した同作は、和をテーマに入れたところ、ユーザーからの評価は好評。メインモンスターとして実装した「ジンオウガ」もシリーズ人気投票で第1位を獲得するなど、大きなインパクトを残した。
またこの時期からは、例えばカップルや夫婦など、シリーズを通して男女どちらのユーザーにも遊んでもらえる仕組みも意識したという。例えば、PSP用のアクセサリーなどで「かっこいい」と「かわいい」の両方のデザインをそろえていった。
そんな中、新たな続編として“4”の開発に取り組んでいたが、当時その制作は難航していた。予定よりも1年ほどリリースが遅れそうな目安だったため、別のタイトルの開発を検討する。そうして生まれたのが3DSでの初のモンハン「モンスターハンター3G」(3DS)だ。
迎える10周年、海外への視線も強く
3Gが発売したのは、2011年12月10日。4の開発も進めていることもあり、シリーズ初となる外部協力会社・エイティング(東京都品川区)との共同開発となった。当初は開発期間が短くなると想定していたこと、またゲームの難易度も高いため「3の移植から新モンスターを1体程度実装できれば……」というイメージで開発を始めていた。
しかしエイティングの協力もあり、複数の新モンスターや高難易度「G級」の実装、拠点の追加、その他新システムの追加など、当初の想定を超えて新作相当の内容を実現した。
「企画書の中では、移植ベースで話を進めていたので当初は『モンスターハンター3 3DS Edition』としていた。また最終的には『モンスターハンター3D WORLD』というタイトルでロゴまで完成していたが、内容が豊富になってくるのが見えてきたのもあり、発表1カ月前に『モンスターハンター3G』にタイトルを変更した」
その後、開発が難航していた「モンスターハンター4」(3DS)が2013年9月14日に発売。3の水中戦で試した、地上での立体的なアクションを実現した初めての作品となった。また新武器種として「操虫棍」「チャージアックス」を実装し、以降のシリーズでは全14種での武器を展開している。
4の発売から1年後の2014年には、モンハンシリーズが10周年を迎える。記念展示会や、アパレルやバイクなど他社とのコラボもますます増加。ゲームタイトルでも、4の拡張版に当たる「モンスターハンター4G」(3DS)を10月11日に発売した。
4では海外版を出していなかったが、4Gでは海外版を展開。このタイミングで海外のイベントなどにも積極的に参加しており、海外への意識を高め始めたタイトルだという。
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