クルド人ハッカー集団が日本へのDDoS攻撃を主張、東映アニメーションやサッカークラブなど標的か NTT系がレポート
NTTセキュリティ・ジャパンが、日本の教育機関やサッカークラブ、アニメ制作スタジオへのDDoS攻撃を主張するクルド人ハッカー集団の動向をまとめたレポート資料「クルド人グループによる日本の組織を狙ったサイバー攻撃」を公開した。同集団によるTelegram上での主張や、その動機・素性に関する見解をまとめている。
NTTグループでセキュリティ事業を手掛けるNTTセキュリティ・ジャパンは8月7日、日本の教育機関やサッカークラブ、アニメ制作スタジオへのDDoS攻撃を主張するクルド人ハッカー集団の動向をまとめたレポート資料「クルド人グループによる日本の組織を狙ったサイバー攻撃」を公開した。同集団によるXやTelegram上での主張や、その動機・素性に関する見解をまとめている。
資料によれば同集団は4日から5日にかけて、日本の教育機関やサッカークラブ、アニメ制作会社などのWebサイトにDDoS攻撃を行ったとXやTelegram上で主張。攻撃先のリストも公開した。対象には、東映アニメーションやアニメ版「怪獣8号」を手掛けるアニメスタジオ・Production I.Gなどが含まれる。リストは以下の通り。
NTTセキュリティ・ジャパンによれば、同集団は2023年7月ごろから“反クルド的”とみなしたSNSアカウントを停止させる、クルド人の名誉を守る啓発活動を行うといった活動を行っている。情報はXやTelegram、YouTube、TikTokなど複数のプラットフォームで発信。クルド語だけでなく英語やアラビア語などでも発信している。
7月下旬には複数の親ロシア系ハクティビスト(ハッカー+活動家を意味する造語)と提携した他、政治的主張を伴うDDoS攻撃を盛んに行うようになったことも分かっている。主にトルコ、イラン、アルメニアやその周辺国に連日攻撃を行っているという。
今回の攻撃についても「日本人と日本政府によるクルド人差別」「クルドの旗を公然と燃やす等の反クルド的なアニメの制作」などが理由と主張しており、同社も「昨今の在日クルド人への批判的な活動や運動への反発が原因と考えられる」とみている。ただし、XやTelegramで主張する動機が、具体的な事件や事象を指すのかは特定できていない。
NTTセキュリティ・ジャパンは「これまでの日本に対するハクティビストの活動としては、人権問題、環境保護、動物愛護に基づくものや、ウクライナ侵攻やハマス・イスラエルの衝突などの海外での国際的な紛争に関わるものが確認されていたが、今回新たに、日本における排外主義的活動に反発するサイバー攻撃が確認された」とコメント。同グループが今後も攻撃を繰り返し、日本もその対象になる可能性を指摘している。
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