トランプ氏の辞任要求受け、IntelのタンCEOが全社書簡で説明「政権と協議中」
トランプ米大統領から辞任要求を受けたIntelのリップブー・タンCEOが全社宛書簡を公開した。「誤情報が出回っている」と述べ、政権と協議中だと説明した。Intel本体も米国の国益へ貢献しているとの声明を発表し、事態の沈静化を図った。
米Intelのリップブー・タンCEO(65)は8月7日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領が「IntelのCEOは即刻辞任すべき」と投稿した数時間後に、全社宛書簡を公開した。
トランプ氏はタンCEOが辞任すべき具体的な理由は示さなかったが、米司法省が7月、同氏が3月にIntelのCEOに就任する前に米Cadence Design SystemsのCEOを務めていた際、同社が中国軍とつながりのある中国の大学に自社技術を違法に売却したと発表しており、この件について、共和党のトム・コットン上院議員が6日、Intelの取締役会に対して懸念を表明する公開書簡を送ったことが関連するとみられる。
タン氏は書簡で、同社における自身の過去の役割について誤情報が出回っていると述べた。
「提起された問題に対処し、事実関係をきちんと把握するために」政権と協議しているとも語った。「私は米国の国家安全保障と経済安全保障を推進するという大統領の決意に全面的に賛同する」という。
タン氏はマレーシア生まれシンガポール育ちで20年以上米国に在住する米国人だ。
Intelは同日、タン氏の書簡とは別に、同社が「米国の国家および経済安全保障の利益向上に深くコミットしており、大統領のアメリカ・ファースト政策に沿って、多大な投資を行っている」という声明文を発表し、アリゾナ州に新設する工場など、米国内で数十億ドル規模の投資を継続していると強調した。
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