資生堂、“宇宙環境用スキンケア”をISSで実証 宇宙飛行士・大西卓哉さんが使用 水要らずで洗顔できる

[ITmedia]

　資生堂（東京都中央区）は8月19日、宇宙環境での使用を想定したスキンケア製品を、国際宇宙ステーション（ISS）で実証したと発表した。JAXA宇宙飛行士の大西卓哉さんが3月に試用した。大西さんは8月10日、およそ5カ月ぶりに地球へ帰還している。

資生堂がISSで実証したスキンケア製品（出典：プレスリリース、以下同）

　製品は2剤式の美容液で、肌の表面に薄い人工皮膚膜を形成することで水分の蒸散を防ぎ、肌内部の水分を循環させて保湿する仕組み。膜をはがす際には、古い角層や皮脂を取り除くことができ、洗浄機能も備える。

“宇宙環境用スキンケア”の仕組み

　たるみなどを補整するために開発された人工皮膚膜の形成技術をもとに、資生堂が“水に頼らないスキンケア“を目指して改良を加えた。同社は「地球でも気候変動などにより水資源の重要性は増している」として研究を進める。

　試用した大西さんは「宇宙では水は貴重な資源」とした上で、「乾燥しがちな環境に適していると思う。水を必要としない洗浄機能はISS内ではありがたい」とコメントしている。