ニコン本気の30万円切り 同社初のシネマカメラ「ニコン ZR」登場 もちろん米REDとコラボ
ニコンは9月10日、同社初のシネマカメラ「ニコン ZR」を発表した。映画制作向けの製品シリーズ「Z CINEMA」に属する製品で、同社が買収したシネマカメラ大手・米REDとコラボレーションしている。予約販売受付は9月18日午前10時から。
ニコンは9月10日、同社初のシネマカメラ「ニコン ZR」を発表した。映画制作向けの製品シリーズ「Z CINEMA」に属する製品で、同社が買収したシネマカメラ大手・米RED Digital Cameraとコラボレーションしている。「ニコンダイレクト」の価格は29万9200円だが、アカウントでログインするとさらに10%オフになるという。予約販売受付は9月18日午前10時から。
ニコン ZRは、2450万画素の部分積層型フルサイズCMOSセンサーを搭載。同社のフラグシップ機「Z9」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」と、ディープラーニングを活用したAF機能により、被写体の追尾性能を高めており、人物や動物、乗り物など9種類の被写体をカメラが自動で検出できる。また、センサーシフト方式の5軸手ブレ補正により、手持ち撮影でもブレを抑えた撮影が可能という。手ブレ補正搭載レンズなら、協調動作で手ブレをより抑える「シンクロVR」に対応する。
最大6K/59.94p、4K/119.88p(APS-Cクロップ時)での12bit RAW内部収録が可能。RED機で使われるRAW動画収録コーデック「R3D」をベースに、ニコン専用の動画記録ファイル形式「R3D NE」を新開発。RED機のカラーサイエンスと露出基準を採用し、RED機と同等のカラーマッチを実現するという。ダイナミックレンジは15+stopsに対応。ISO800とISO6400の2つのベースISO感度を用意しており、暗所でもノイズを減らした撮影が可能だ。
気軽にREDのシネマルックな映像を楽しみたいユーザー向けに、「シネマティック動画」モードをプリセットとして用意。「Nikon Imaging Cloud」には、RED監修による9種類のシネマティックな「イメージングレシピ」も用意しているという。また、シネマカメラながら静止画の撮影にも対応する。
世界初という内蔵マイク/外部マイク入力における32bit float収録に対応。現場での音量調整なしに歪みのないクリアな音声が記録できるとしている。また、内蔵マイクはNokiaの「OZO Audio」を採用し、3つの内蔵マイクを使って、前方(鋭)、前方、後方、全方位、バイノーラルの5種類の指向性モードから選択可能。インタビューやVlog撮影のほか、外部マイクを使用しなくてもASMRまで収録できるとしている。
マグネシウム合金製のボディは約630g(メモリカード、バッテリー込み)。ファンレス設計だが、外装全体で放熱効果を考慮した設計により、USB給電時では125分の連続撮影が可能としている。また、国産のミラーレスカメラとしては珍しい、4.0インチ(307万ドット)のバリアングル式大型モニターを搭載し、デジタルシネマ向けの色空間DCI-P3を100%カバー。LUTモニタリングにも対応する。メモリカードはCFexpress TypeBとmicroSD(UHS-I)のデュアルスロット。
同社初となるデジタルアクセサリーシューを搭載。通信だけでなく、カメラからアクセサリーへの電源供給も可能になった。ニコンでは、専用ショットガンマイク「ME-D10」も同時発表し、32bit float収録に対応する。Frame.ioの「Camera to Cloud」機能で動画データの直接クラウド転送にも対応する。
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