動画プラットフォームのVimeoをEvernote親会社が約14億ドルで買収
動画プラットフォームのVimeoが、Evernoteなどを傘下に持つBending Spoonsに約13.8億ドルで買収されることに合意した。取引完了後、上場廃止となる。Bending SpoonsはVimeoへの積極的な投資を表明している。
動画制作・共有プラットフォームの米Vimeoは9月10日(現地時間)、伊Bending Spoonsによる買収に合意したと発表した。買収総額は約13億8000万ドル(約2000億円)で、2025年第4四半期に完了の見込みだ。取引完了後、上場廃止となる。
Bending Spoonsは、EvernoteやMeetup、Reminiなど、多数のIT系企業を買収して傘下に収めてきた。Evernoteは買収された後、CEO交代や大規模な人員削減、サブスク料金の値上げなどを経て現在も存続している。
Bending Spoonsのルカ・フェラーリCEOはプレスリリースで「当社では、企業買収の際には無期限に所有・運営することを前提としている。(中略)買収完了後は、米国をはじめとする重点市場、そしてクリエイター向けとエンタープライズ向けの両分野にわたる事業の主要分野すべてに、積極的な投資を行う決意だ」と語った。
2004年設立のVimeoは、米Google傘下のYouTubeのような広告モデルではなく、有料サブスクによるプロや企業向けの高品質動画SaaS。2006年にIAC(InterActiveCorp)に買収されたが2021年にIACからスピンオフして上場した。上場直後の評価額は60億ドルを超えた。だがYouTubeなどの競合との競争激化などにより株価は低迷し、2023年に大規模なレイオフを実施した。
Vimeoのフィリップ・モイヤーCEOはプレスリリースで、「このパートナーシップにより、チームとお客様がより一層集中できるようになると確信している。そして、世界で最も革新的で信頼される企業向け動画プラットフォームとなるというグローバルミッションの達成に向けて、私たちは努力を続けていく」と語った。
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