エアコン修理に42万円 納車4年以内のテスラオーナーなら入っておきたい「延長保証」の中身:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(1/3 ページ)
「エアコンのコンプレッサーが壊れました!修理に42万円かかりました!」前回の連載コラムを脱稿した後、このコラムで紹介した3年半で22万4000kmを走破した政岡氏から逼迫したメッセージが届きました。聞けば、このエアコン故障は、上海工場製造の初期モデルに多いトラブルだそうです。Teslaが用意する「延長保証」について考えます。
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
エアコン故障は、上海工場製造初期モデルの持病なのか?
「エアコンのコンプレッサーが壊れました!修理に42万円かかりました!」
前回の連載コラム「“過走行テスラ”の健康状態は? 4年弱で22万km乗った『モデル3』オーナーに聞く」を脱稿した後、このコラムで紹介した3年半で22万4000kmを走破した政岡氏から逼迫したメッセージが届きました。聞けば、このエアコン故障は、上海工場製造の初期モデルに多いトラブルだそうです。
21年製Model 3の車両保証は、4年または走行距離8万kmのどちらか早い方と定められています。当然ながら政岡氏の車両は保証の対象外です。また、21年9月に新車で購入した筆者のModel 3の車両保証も4年が経過し対象外となりました。
このエアコンの件が風説通り上海工場製造の初期モデルの持病であるなら、最低でも後1年、つまり購入から5年は乗ろうと決めていた筆者にとっては、日々薄氷を踏む思いでクルマ生活を過ごさなくてはなりません。10月に入り、いくぶん爽やかな風を感じる今日この頃ですが、今夏の猛暑を振り返ると、エアコンの故障は生命にかかわる問題ですらあります。
上記の図は、政岡氏が送ってくれたModel 3のスクリーンにおけるサービスモード画面です。特別なコマンドを入力すると車両の各部の状況をグラフィックスで確認することができます。コンプレッサーの部位に赤いアラートが点き「Fault」と表示され、RPM(回転数)はゼロを示しています。
次の動画は、正常な状態を示したサービスモードの画面です。コンプレッサーは「RUNNING」でRPMは1000〜2500程度を示しています。同時に配管内の流体の流れや温度の様子を確認することができます。
ちなみに、この画面は、あくまでもサービスのスキルを持った者が利用するもので、一般ユーザーが操作することは推奨されていないことは付け加えておきます。眺めているだけなら害はないようですが、いずれにしても、自己責任で表示するようにしてください。表示方法は、ネット検索すれば多数の情報を見つけることができます。
それにしても、エアコンのコンプレッサーの修理で42万円は、筆者の経験上高すぎるように感じます。筆者は、前車のメルセデス・ベンツC250でも約10年経過した時点でコンプレッサーの修理を経験していますが、正規ディーラーで二十数万円の見積りを提示された記憶があります。結局、このときはディーラーではなく、街のベンツ専門店に持ち込み、13万2000円で済ませました。正規ディーラーの半額です。
メルセデス・ベンツの様に日本での販売数が多いメーカーの輸入車であれば、街の修理屋さんで対応可能な場合もありますが、さすがにTeslaだと、そのような修理工場は少数でしょう。
以前、Tesla Japanの橋本理智社長が日本経済新聞のインタビューに応え、「高級車のイメージを払拭し、誰にでも手が届く『大衆車』であることをアピールする」とコメントしていました。大衆車!まさに望むところです。真に大衆車を標榜するのであれば、高額な修理費用にもメスを入れて頂きたいものです。
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