エアコン修理に42万円 納車4年以内のテスラオーナーなら入っておきたい「延長保証」の中身:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(2/3 ページ)
「エアコンのコンプレッサーが壊れました!修理に42万円かかりました!」前回の連載コラムを脱稿した後、このコラムで紹介した3年半で22万4000kmを走破した政岡氏から逼迫したメッセージが届きました。聞けば、このエアコン故障は、上海工場製造の初期モデルに多いトラブルだそうです。Teslaが用意する「延長保証」について考えます。
14万円で保証期間を2年延長
だからという訳ではないとは思いますが、Tesla Japanは、保証期間を有料で延長するサービスを開始しました。条件を満たした車両であれば、保証を2年間延長することができます。筆者の場合、納車日から4年以内に該当するので、14万800円です。約14万円は痛い出費ではありますが、購入しました。
エアコン周りの持病が発生して42万円の請求が来ることを思うと、「保険」として購入しておく方がいいとの判断です。それに、昨年末に友人がModel 3を購入する際、紹介キャンペーンで得たクレジット7万5000円の残額が約6万5000円分残っているので、それを充当しました。仮に、後2年乗り続けるとなると、月額3200円弱で保証が得られる計算なので、それも購入の背中を押す要因でした。
もちろん「基本車両限定保証」の延長なので、エアコン以外の部位にも適用されます。エアコンの他には、サスペンションアームのトラブルで13〜20万円かかった、といった報告も時々目にするので、「安心」を買うという意味でもあります。車両の売却などで、途中解約した場合は、一定の計算式で算出された解約金が払い戻される仕組みです。ちなみに、メインコンピューターが故障した場合、交換には最低で36万円かかるそうです。
ただし、タイヤ空気圧監視システム(タイヤバルブ一体の圧力センサー入りBluetooth端末)と低電圧バッテリーの交換は、延長保証においては対象外だそうです。消耗品である低電圧(鉛)バッテリーが保証対象外なのはあたりまえ、と思う向きもあるでしょうがわざわざ「保証対象外」と記した理由は後述します。
バッテリーの劣化率は?
ここからは納車から5年目に突入する直前、つまり、車検を入れて4回目の法定点検の報告です。走行距離は、3万6000kmです。例によって、Teslaアプリから点検を申し込みます。最寄りのサービス拠点を選び、アプリ上に表示される空きスケジュールを確認しタップするだけで予約完了です。
数時間後にTesla Japanより、必要事項の連絡と定期点検の見積りとして2万4310円がアプリ上に通知されるので、「承認」をタップしました。もちろん、点検時にワイパーやエアコンフィルターなどの消耗品を交換するとその金額が上乗せされます。
今回の点検では、低電圧(鉛)バッテリーの交換を実施しました。ただし、車両保証の対象だったので無料でした。さて、先に述べたように一般的に消耗品とされる鉛バッテリーがなぜ、「保証対象外」ではなく、保証の対象として無償交換だったのでしょうか。
Tesla Japanの車両保証において、4年、8万キロの保証期間中に低電圧バッテリーから不具合等のアラートが出ると、無償交換の対象となるそうです。今回はそれに該当したわけです。しかし、4年または8万kmを超えると、延長保証購入の有無にかかわらず、通常の消耗品と同等の有償交換となります。
つまり、4年、8万キロの新車からの保証期間が切れる寸前に低電圧バッテリーから不具合アラートが出た筆者の場合、ある意味ラッキーだったと言えます。有償交換の場合、工賃込みで1万6630円の請求が来ることになるからです。
筆者の車歴に照らすと、1万6630円の請求は輸入車にしては安価な方だと思います。前車メルセデス・ベンツC250の補機バッテリー交換は3万円程度でした。その前のシトロエンも似たような請求が来た記憶があります。ちなみに、ネットの情報によると、トヨタ「プリウス」の補機バッテリー交換費用は、2万〜4万円程度だそうです。
今回、タイヤ交換は実施しませんでした。残溝が4.0〜4.5ミリだったからです。Tesla Japanでは、残溝3ミリ以下で交換を推奨するそうです。自動車タイヤ協会によると、タイヤメーカーは、使用開始後4〜5年での交換を推奨しているので、残溝の有無にかかわらず、1年以内には交換する必要がありそうです。
また、ブレーキパッド残量も8.0〜9.0ミリと、ほぼ減っていません(新品は約10ミリ)。ワンペダル走行における経済的な恩恵を感じる部分です。欧州ではPM2.5規制として「Euro7」が制定されており、ブレーキダストの削減が求められているだけに、ワンペダル走行は環境にも優しいということです。
そして、気になる高電圧(動力)バッテリーの劣化具合について記しておきます。まず、今回の点検では、「正常の範囲内」という結果でした。ただ、ユーザーとしては数値としての「劣化率」が気になります。
「TeslaFi」というログサービス上では、納車時との比較で劣化率4.43%という結果です。一方、「Tessie」というアプリでは、劣化率15.02%とあります。双方で10ポイント程度の開きがあり、どちらを信じていいのかわかりません。とりあえず、間を取って、約1割減としておきましょう。
最近のリアルワールドでの運用実態に照らして補足すると、横浜の自宅をバッテリー100%で出発し、八ヶ岳界隈を走り回り約390km走行し帰宅した時点で23%残ですから、日帰り旅行であれば、実用上は問題ないわけです。単純計算でゼロ%まで使い切ると506kmは走行可能ということになります。上記のバッテリーレポートとほぼ合致します。暑い中、エアコンを使っての数字ですから優秀です。
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