「痛みを共有」する技術、ドコモなど開発 感じ方の“個人差”踏まえた調整も
NTTドコモと大阪大学発のスタートアップ企業PaMeLaは10月1日、痛みの感覚を他人と共有できる技術を開発したと発表した。ドコモの「人間拡張基盤」と、PaMeLaによる脳波を基にした痛覚測定技術を連携させたもので、脳波から推定した一方の痛覚を、相手の感じ方に合わせて伝えることができるという。
NTTドコモ(東京都千代田区)と大阪大学発のスタートアップ企業PaMeLa(大阪府豊中市)は10月1日、痛みの感覚を他人と共有できる技術を開発したと発表した。ドコモの「人間拡張基盤」と、PaMeLaが開発した脳波による痛みの測定技術を連携させたもので、脳波から推定した一方の痛覚を、相手の感じ方に合わせて伝えることができるという。
脳波から痛覚データを把握する「センシングデバイス」と、感じ方の個人差を推定・共有する「人間拡張基盤」、痛覚を再現する「アクチュエーションデバイス」の3つを組み合わせた。痛覚刺激を受けている人の脳波から痛みを数値化し、併せて人それぞれの痛覚の感度を推定した上で、受け取り側の感度を踏まえて変換、受け手に共有可能だ。
両社はこの技術により、他者の痛みをより直感的に理解できるようになるとし、「Aさんの『50の痛み』がBさんにはどの程度か」といった比較や、「現在の痛みが平常時と比べてどれほどか」といった変化の体感が可能になると説明している。
両社は、医療分野での診断支援やリハビリの支援に加え、XRやゲームでの没入型体験の拡大や、SNSでの誹謗中傷・カスタマーハラスメントによる心理的ダメージの可視化にも応用が期待できると説明。新技術は、14日から幕張メッセで開かれる「CEATEC 2025」で公開する予定だ。
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