AI時代の本命か? 画面が付いたMetaの新スマートグラスに感じた可能性 実機に触れて見えたこと(4/4 ページ)
米Metaが新しいスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」を発表した。筆者はカリフォルニア州・メンローパークにあるMeta本社で、製品を試すことができた。他のXR機器やスマートグラスとどう違うのか、そしてなぜ、Metaはこの製品を「AI時代のキーアイテム」と位置付けているのだろうか。その点を解説してみたい。
AIの力で価値拡大、日本での発売は未定
逆に言えば、Meta Ray-Ban DisplayはXR機器とは違う。多数のアプリを切り替えながら「単体のコンピュータとして使うもの」ではなく、スマホ+AIという環境を、もっと使いやすくするためのものである。
だから逆に言えば、「いかにAIが便利になるか」で使い勝手が大きく変わる。現状「超知性」は出来上がっていないが、超知性とは言えない間でも、「AIと話しながら何かをすることが便利」になってくれば、価値がどんどん上がる。
ある意味、「スマホがAIで便利になる」という言説と同じ軸にあり、その中で、「スマホでAIを使うよりも便利なもの」という位置付けで作られているわけだ。
価格は799ドルで、グラスとバンドがセットになって売られる。まずは米国からだが、来年にはヨーロッパへ市場を広げる。欧米系言語から開発を進め、「先々はアジアを含めた色々な国に」という考えであるらしいが、日本での販売はまだ決まっていない。
800ドル(約11万8000円)という価格は安くない。だが、同種のスマートグラスの中では圧倒的に体験が良い。Metaとしては、長年の研究の成果がようやく製品につながりつつある、というところなのだろう。
この製品があるからといってMeta QuestのようなXR機器を止めるわけではないが、新しい軸として、同社が大きく期待を抱いているのは間違いない。
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