京都から国産ヒューマノイドロボットの再興を目指す“日本連合”、初期プロトタイプ製作へ
日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す「KyoHA」は2日、実用性の高いヒューマノイドのプロトタイプを製作すると発表した。KyoHAは、テムザックや早稲田大学などによる“ヒューマノイドのための日本連合”だ。
日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す「KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)」は10月2日、実用性の高いヒューマノイドのプロトタイプを製作すると発表した。年内にスペックを確定させる。
初期プロトタイプは、ヒューマノイドモデルの基礎構築と技術課題の把握を目的としたもので、汎用部品を活用して製作する考え。「26年度内には第一弾の開発・実装に向けた具体的施策を発表予定」としている。
また26年末には第二弾として、1)災害現場や建築・土木分野など過酷な環境下での活動を想定した「パワー重視モデル」と、2)成人サイズで俊敏性や機能性を備えた「俊敏性/機能性重視モデル」を製作する計画だ。
KyoHAは、「かつてのロボット先進国としての存在感を示さなければならない」として、テムザック、早稲田大学、村田製作所、SREホールディングスの4者が8月に設立した一般社団法人。産学横断の“ヒューマノイドのための日本連合”であり、理事長は早稲田大学ヒューマノイド研究所所長の高西淳夫教授が務める。
今回の発表では、新たに沖縄科学技術大学院大学(OIST)、マブチモーター、カヤバ、NOK、ヒーハイストがKyoHAに参画したことも発表された。さらに「多数の企業・団体との連携に向けた対話が進行中」という。
かつてのロボット先進国を再び
2000年代前半まで、日本ではソニーの「SDR」シリーズ(後のQRIO)やホンダ「ASIMO」、川田工業と産業技術総合研究所の「HRP-2 PROMET(プロメテ)」など、多くのヒューマノイドロボットが展示会を賑わせていた。しかし06年にソニーがQRIOの新規開発を中止して以降、なかなか存在感を示せずにいる。
一方、近年は米国の巨大テック企業や中国企業などによるヒューマノイドロボット開発が急速に進展。AIやソフトウェアの進化と共に、ハードウェアとしてのヒューマノイドロボットに再び注目が集まっている。

2003年の展示会「ROBODEX」で行われたロボット達によるパレード。ソニー「SDR-4X」(写真=左)や川田工業と産総研の「HRP-2 PROMET」(写真=右)も登場(当時のITmedia NEWS記事より)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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