東京弁護士会は10月22日、退職代行サービスに関する報道を巡り、声明を発表した。同日にモームリの運営会社・アルバトロス(東京都品川区)などに弁護士法違反の疑いで強制捜査が入ったと複数のメディアが報じていた。
報道によると、モームリを巡っては、退職代行の仕事を弁護士に違法にあっせんし、紹介料を受け取った疑いが強まったとして、警視庁が関係先の一斉捜索を行ったとしている。東京弁護士会の声明ではモームリの名前は出していないものの、同日に報道があった捜査について、その動向を見守りつつ、状況に応じて必要かつ適切な対応を検討・実施すると示している。
今回の家宅捜索とは異なるが、東京弁護士会では退職代行サービスが非弁行為に当たる可能性があると以前から説明している。そのため今回の報道をきっかけに、過去にブログで掲載した「退職代行サービスと弁護士法違反」という記事を再度紹介。非弁行為について説明している。
ブログでは、退職代行サービスに非弁行為が含まれる場合がある2つの例を紹介。例えば、退職代行業者が本人に代わって「残業代の未払いは法律に違反する」など法律的な問題の交渉を行い、その結果として残業代が支払われることになった事例を挙げている。このような法律の問題に対して、弁護士などではない人が本人に代わって、相手方と話をすることは非弁行為に当たるという。
「残業代ですが、実は、法律上、意外と難しい計算が必要。そのため、残業代が支払われたとしても、正しい計算に基づいたら、本来よりも少ない金額のこともあり得る」(東京弁護士会)
モームリの報道を巡っては、他退職代行業者が「法令に基づいた完全合法の退職代行サービスを行っている」と声明を発表する動きが相次いでいる。退職代行「ガーディアン」を運営するTRK(東京都新宿区)はプレスリリースを発表した他、退職代行「EXIT」を運営するEXIT(東京都渋谷区)の新野俊幸社長は自身のXアカウントで「弊社は退職代行のパイオニアとして、弁護士法を順守している」と投稿している。
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