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雑誌の“自炊”ヘビーユーザーから見たPFU「ScanSnap iX2500」の隠れた改良点分かりにくいけれど面白いモノたち(1/4 ページ)

私のようにメインの用途が本や雑誌のデジタル化で、しかも一週間に平均30冊みたいな使い方をするなら、新しい「ScanSnap iX2500」は間違いなく“買い”だと思う。その理由を、PFUへの取材を交えつつ説明していこう。

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 買った本や雑誌は、その日のうちにスキャンしてPDFにしてから読む私にとって、PFUの「ScanSnap」は生活の一部のようなものだから、フラッグシップモデルの新型が出たら使わなければならない物だったりする。実際のところ、2018年発売の「ScanSnap iX1500」くらいから、もうドキュメントスキャナーとしてはほぼ完成の域にあって、これ以上どんな機能を加えるのか、といった感じなので、レビューにも時々「無理して買い替える必要はない」みたいなことが書かれていたりもして、それも分かる。


PFUの「ScanSnap iX2500」は5万9400円(PFU DIRECT価格)、色はホワイトとブラックの2色。光学解像度は600dpi

 ただ、私のようにメインの使用用途が本や雑誌のデジタル化で、しかも一週間に平均30冊みたいな使い方をするなら、新しい「ScanSnap iX2500」は間違いなく“買い”だと思った。それは、一度に100枚まで乗せられるシート・フィーダーだったり、1分間にA4の紙を45枚、両面スキャンできるという機能強化が、とても本のデジタル化作業を楽にしてくれたということもあるのだけど、実際に何冊もスキャンしていると、そういう機能強化を実現している技術のおかげで副次的に実現した細部の使い勝手こそ、この新機種の素晴らしさであり、技術の面白さではないかと思ったのだ。

 そこで、本のデジタル化において、このスキャナーがどういう風に良くなっているのかについてレビューすると同時に、その“良さ”を支えているのは何なのかとPFUに取材した内容を踏まえ、ドキュメントスキャナーとしてのiX2500について書いてみようと思う。

 使っていてまず思ったのは、一度に100枚シート・フィーダーに乗せられるということは、私が普段読んでいる本なら2回〜3回のスキャンで1冊を処理できることの便利さ。さすがに200ページ以下の本を買うことは滅多にないので(薄い本はあまり読まないだけでなく、電書で買うことが多いということもあります)、1回で済むということはないのだけど、3回で600ページがスキャンできるというのは、かなり楽なのだ。


文庫本の100枚(200ページ)をセットするとこういう感じになる。文庫本の紙はコピー用紙に比べてかなり薄いので、実は120枚くらいセットできるけれど、安定したスキャンを大事にするなら100枚までに抑えたい

 本のスキャンはまず裁断してバラバラの紙束にしたあと、枚数を数えながら1枚ずつ指先でめくって、糊の残りがないか、くっついていたり折れ曲がっているページはないか、などをチェックするのだけど、従来の50枚までだと、例えば500ページの本なら紙束を5つに分ける必要がある。これを順序や方向を間違わないようにスキャナにセットするわけだけど、これが案外、失敗の元になるのだ。その点、iX2500だと紙束は3つで済む。

 楽だわーと思いながら作業していて、ふと気がついたことがあった。例えばJRA PRセンターが出している「優駿」という雑誌があって、私はもう10年くらい毎月これをスキャンしているのだけど、この紙がScanSnapと相性が悪いのだ。ただ50枚を一度に乗せた時より、30枚ずつとかにした方が、エラーが少ないので、私はいつも30〜35枚ずつスキャンしていた。

 ということは、一枚一枚の紙にかかる重さが増えると、モーターやローラーの負担が大きくなっているということ。つまり、50枚乗せられていたものを、100枚にするというのは、単に給紙口を広くすればよいというものではないのだ。実際、優駿のスキャンでのエラーがなくなりはしないものの劇的に減った。しかも、大体本文が144ページ、つまり72枚なのだけど、これを一度に乗せても、重送1〜3回くらいに収まっている。

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