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雑誌の“自炊”ヘビーユーザーから見たPFU「ScanSnap iX2500」の隠れた改良点分かりにくいけれど面白いモノたち(2/4 ページ)

私のようにメインの用途が本や雑誌のデジタル化で、しかも一週間に平均30冊みたいな使い方をするなら、新しい「ScanSnap iX2500」は間違いなく“買い”だと思う。その理由を、PFUへの取材を交えつつ説明していこう。

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一番感じた“安定性”の向上

 PFUの担当者によると「1度にセットできる紙の量を増やすためには、給紙口を広げるだけでなく、紙を分離する適切な力(紙が多いほど、重さが加わり、1枚ずつの分離に必要な力が変わってくる)や紙を送る力の制御が必要です。iX2500では、給紙搬送にかかわる機構を一新し、100枚搭載を実現しています」という。セットできる枚数を増やすというのは、同時にローラーやモーターを変える必要があるし、細かい力や速度の制御が必要になるということだ。


ScanSnapの内部での紙とローラーの動きを図にしたもの。おおまかな設計は、このような形なのだけど、実際の紙の動きは、試行錯誤を繰り返してローラーやモーターを調整するしかない

 また「紙の束を正確に分離するための力や紙を送る力を、新しい搬送機構で緻密に制御することで、100枚搭載の範囲では安定して給紙できる設計としていますが、スペック以上の紙をセットしてしまうなどの場合には、うまく分離できずに重送や紙詰まりといったエラーにつながる可能性があります」とも話していた。

 逆にいえば、それだけ紙の分離や給紙の安定性を増しているということになる。iX2500でスキャンしていて、一番感じるのが、この“安定性”の向上なのだ。

 何より、スキャン時の音がかなり小さくなった。測った訳ではないのでデシベル値が小さくなっているかは分からないけれど、スキャン時の音が従来機に比べて、確実に“落ち着いた”感じになっている。これ、騒音の問題以上に、使用している私の精神衛生上、とても良いのだ。なんか“楽に動いている”感じがして安心して、どんどんスキャンできる。


ScanSnap iX2500のふたを開けて上から見たところ

 PFUからも「スキャン機構自体を新規設計する際に、モーターやギアを一新することで、音量を抑えました」という回答を得ているので、音量が抑えられていると感じるのは、私の錯覚ではないだろう。音のせいもあって、とてもスムーズに動作している感じがあるのだ。速いのに丁寧な作業を見ているような気分になる。


ScanSnap Home上で、見開きのページを合成しているところ。上下がズレずに、もともと1枚でスキャンしたような仕上がりになりやすくなったと思う。また、左右ページの色の違い(両面スキャンなので、左右ページでセンサーが違う)も目立たなくなっていると思う

 それを実感するのは、別々にスキャンした見開きページをあとでScanSnap Home上で合成する場合だ。これ、iX1600までは最初から見開きでスキャンしたように上手くいく時もあれば、左右のページの上下が合っていなかったり、ページ間に隙間ができたりすることも多かった。

 このズレや隙間が、iX2500ではかなり減ったと思う。まだ、iX2500での見開きページの合成作業自体を、100回くらいしか行っていないので、確かなことはいえないけれど、ほとんどズレや隙間が出ない(100枚くらい行って、ズレ1回、隙間1回くらい)のだ。

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