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Meta、実質2桁台の増収増益 「AIメガネで業界をリード」とザッカーバーグCEO

Metaの7月〜9月期決算は、売上高は26%増だが純利益は一時的な税費用159億ドル計上で83%減だった(税引前では大幅増益)。AIが広告やリールを牽引し、スマートグラスもだった。AI投資を加速するとしている。

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 InstagramやFacebook、Threadsを運営する米Metaは10月30日(現地時間)、第3四半期(7月〜9月)の決算を発表した。売上高は前年同期比26%増の512億4200万ドル、純利益は83%減の27億900万ドル(1株当たり1.05ドル)と、大幅減となった。これは、新米国税法の導入に関連して、159億3000万ドルの1回限りの非現金法人税費用を計上したことによるものだ。この一時的な税金費用を除外した場合、純利益は186億4000万ドル(1株当たり7.25ドル)となり、前年同期から大幅な増益となる。

 売上高、一時的な費用を除く1株当たり純利益ともに、アナリスト予測(売上高は494億1000万ドル、純利益は6.69ドル)を大きく上回った。

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「Meta Ray-Ban Display」を装着したマーク・ザッカーバーグCEO(画像:ザッカーバーグ氏のFacebookより)

 マーク・ザッカーバーグCEOは、発表文で「Meta Superintelligence Labsは順調なスタートを切り、MetaはAIメガネで業界をリードし続けている」とし、「この先の機会をほんの一部でも実現できれば、今後数年間はMeta史上最もエキサイティングな期間になるだろう」と語った。

 同氏は電話会見では、Metaを「最先端のAIラボ」として確立することに非常に注力していると述べた。彼は、コアビジネスが引き続き多くのリソースを収益性の高い形で利用できることから、“超知能”の最も楽観的なケースに備えるため、能力構築を積極的に前倒しで行うことが正しい戦略であると強調した。

 また、AIレコメンデーションシステムの改善により、第3四半期におけるFacebookでの滞在時間が5%増加し、Threadsでは10%増加したと語った。リール(Reels)の年間ランレートは500億ドルを超え、完全にエンドツーエンドのAIを活用した広告ツールを経由する年間ランレートは600億ドルを超えたと説明した。

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部門別売上高と営業利益(損失)推移

 セグメント別では、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppなどを含む「Family of Apps」(FoA)部門の売上高は26%増の507億7200万ドルだった。広告インプレッション数が14%増加し、広告の平均価格が10%上昇したことが大きく牽引した。広告パフォーマンスの向上は、主にAIランキングシステムの改善によってもたらされたという。

 VR、AR、複合現実関連の消費者向けハードウェア、ソフトウェア、コンテンツを含むReality Labs(RL)の売上高は74%増の4億7000万ドル。だが、44億3200万ドルの営業損失を計上した。売上高の増加には、小売パートナーがホリデーシーズンに先立ってQuestヘッドセットの在庫を積み増したことや、好調なAI搭載のスマートグラスの売上が寄与したという。

 ザッカーバーグ氏は電話会見で、9月に発売したスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」について、48時間以内にほぼすべての店舗で完売したと語り、スマートグラスは「次世代のコンピューティングプラットフォームを定義する」AIデバイスであり、Metaはその道筋をリードしていると主張した。長期的には、AIが人々がスマートグラスを利用する主要な目的となり、それ自体が大きなビジネスチャンスとなると述べた。

 9月30日時点の従業員数は前年同期比8%増の7万8450人だった。

 2025年第4四半期の総売上高予想について、Metaは560億ドルから590億ドルの範囲を見込む。この見通しは、広告収益の継続的な力強い成長を反映しているが、前年同期にQuest 3Sが導入されたこと、およびホリデーシーズンに備えた小売パートナーによるQuestヘッドセットの調達が第3四半期に計上されたため、RL部門の収益が前年同期比で減少すると予想されることにより、一部相殺される。

 2025年通期の設備投資(ファイナンスリース元本償還を含む)の予想額は、従来の660億ドルから720億ドルの範囲から引き上げられ、700億ドルから720億ドルの範囲となる見込みだ。

 Metaは、資本配分の主要な焦点は、主要なAI製品、モデル、ビジネスソリューションの開発を含む、会社の最優先事項をサポートするために資本を投じることであると説明した。

 さらに2026年について、コンピューティングニーズが予想よりも大幅に拡大し続けているため、自社インフラの構築とサードパーティクラウドプロバイダーとの契約の両方で、これらのニーズを満たすために積極的に投資する予定であると述べた。

 費用総額もインフラコスト(クラウド費用と減価償却費)を中心に2025年よりも大幅に速い割合で増加すると予想している。

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