ソフトバンクGとOpenAI、合弁会社「SB OAI Japan」設立 法人向けAIソリューションを展開
ソフトバンクグループ(SBG)とソフトバンクは11月5日、米OpenAIと合弁会社「SB OAI Japan」を設立したと発表した。OpenAIのAI技術を活用した法人向けソリューション「Crystal intelligence」の展開を目的としており、2026年の日本国内での独占提供を目指す。
ソフトバンクグループ(SBG)とソフトバンクは11月5日、米OpenAIと合弁会社「SB OAI Japan」を設立したと発表した。OpenAIのAI技術を活用した法人向けソリューション「Crystal intelligence」(クリスタル・インテリジェンス)の展開を目的としており、2026年の日本国内での独占提供を目指す。
クリスタル・インテリジェンスは、OpenAIの企業向けプロダクトと、日本市場に最適化した導入支援・運用サポートを組み合わせたAIソリューション。各企業に特化したAIを構築し、財務関連資料や文書の作成など、幅広い業務を自動化するという。
導入支援から運用までをSB OAI Japanが包括的に担う。最初のユーザーとしてソフトバンクが導入し、プロダクト開発や業務変革の検証を通じて得た知見を、法人顧客向けに順次展開する。
SBGは2月にクリスタル・インテリジェンスの構想を発表。あわせてOpenAIとの合弁会社設立方針を公表し、日本の主要企業向けに同ソリューションを独占提供するとしていた。6月の株主総会では、ソフトバンクの宮川潤一社長が7月末の設立を予定していると説明していたが、9月には関係者が「体制の準備に想定より時間がかかっている」として、11月頃をめどに進捗を公表する方針を示していた。
SBGはすでにグループ内で約250万個のカスタムGPT(用途特化型ChatGPT)を作成しており、「全社員が業務でAIを積極的に活用している」と説明。クリスタル・インテリジェンスの活用に向けた社内基盤の整備を進めているという。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは設立に当たり、「日本を皮切りに、世界の有力企業へ先進的な AI を提供していくという OpenAI のビジョンを加速させる重要な一歩」とコメント。SBG会長の孫正義氏は「SB OAI Japan の発足により、AI エージェントが協調し自律的に業務遂行する世界が実現していく。OpenAI と共に、AI 革命を新たなステージに推し進めていく」と述べた。
SB OAI Japanの本社は東京都港区に設置する。出資比率は、OpenAIが50%、Cホールディングスが50%。なお、Cホールディングスの持株比率はソフトバンクが51%、SBGが49%となっている。
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