Amazon、KDP著者向けAI翻訳サービス「Kindle Translate」提供開始
Amazonは、KDP著者向けのAI翻訳サービス「Kindle Translate」β版を発表した。著者が自作の電子書籍を他言語に翻訳できる機能で、初期は英・西語間と独語から英語に対応する。追加コストなしで海外読者にリーチできる。
米Amazonは11月6日(現地時間)、Kindle向けのAI翻訳サービス「Kindle Translate」を発表した。Kindle Direct Publishing(KDP、日本でもKindleダイレクト・パブリッシングとして提供している)の著者が、自分の電子書籍を他言語の読者に届けやすくするための機能で、まずはβ版として一部のKDP著者に提供された。
サービスの初期対応は英語とスペイン語間とドイツ語から英語への翻訳で、著者はKDPのポータル上で翻訳の言語選択、価格設定、公開の管理が行える。翻訳は自動で精度評価が行われ、著者は完成後に翻訳をプレビューして手動で公開するか、自動公開を選べる。作業開始から数日間でフォーマット済みの翻訳版を出せるという。
Amazonによると、現在Amazon.com上で複数言語で利用できるタイトルは5%未満という。Kindle Translateによって著者が追加コストをかけずに海外読者へリーチを広げ、収益機会を増やせると期待している。
翻訳された電子書籍はAmazonストアで購入・ダウンロード可能となり、Kindle Translateのラベルや翻訳サンプルが表示されるほか、KDP SelectやKindle Unlimitedへの登録対象にもなる見込みだ。具体的な対応言語は不明だが「今後、対応言語が増えるにつれて」翻訳タイトルが増えるとしている。
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